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【2024年版】ノクターンノベルズのおすすめ作品30選

前回の記事はこちら↓

【2022年版】ノクターンノベルズのおすすめ作品50選 - OWL BOOK


2023~2024年に読んだ、良かった作品を紹介します。作品は随時追加していく予定です。

 

★ 5回以上抜いたイチオシ作品

異世界転移したらエロRPGの世界だったのでショタチンポ勇者はマゾ射精する

  • 個人的2023ベスト
  • これまであまり興味が無かったジャンルに一瞬で引きずり込んでくる悪魔のような作品が時々あるのですが、この作品はまさにそれでした
  • ライトに読みやすいノリで、「寝取られマゾ」性癖の魅力を存分に描き切っている
    • なんだかんだヒロイン達は心までは堕ちていない
      • (でも本当は・・・?)くらいの匂わせはあり、想像の余地があるのも良い
    • チャラ男くんが普通に良いヤツ
      • 主人公のピンチには颯爽と駆けつけてくるし、気遣いもできて、圧倒的に自分より「格上」の男であることを分からせてくる感じがありました
      • そんな彼に、自分を好いてくれているヒロイン二人を差し出してしまうシーンがもうめちゃくちゃに興奮してしまいました
  • 寝取られ要素が無くても成立するくらいに、前フリとなる異世界イチャラブ冒険譚をしっかり描いているのもGOOD
    • ここをちゃんと描けば描くほど、寝取られたときの破壊力が増すのです

 

隣の席の幼馴染JCが射精を煽るイタズラしてくるの止めてほしい!

  • 長尺♥多用の射精煽り淫語責めがとても良かった
  • 中学生同士のエロで、女性優位が多めだけど、主従逆転要素もあり。複数プレイも多々あって、前から左から右からえっちな言葉を囁かれながら搾り取られる話が多い
    • 音声作品っぽい感じ
  • 幼馴染がメインヒロインっぽくて、今のところ幼馴染としかセックスしていないという誠実なところがある
  • ただやっぱり複数プレイがエロいですね
    • 3人並べて顔射するとこめっちゃ良かった
  • 女の子側の心理描写をちゃんと書いてくれるのも良い
    • もうこれ女の子の方に感情移入しているのではと思う時があります

 

うちのパーティーはメスギャルだらけ

  • ファンタジー世界観のハーレムもの
  • 同作者 うちのパーティーはメスガキだらけ のセルフリメイクらしい
    • こちらも名作ですね
  • この作品の文章が好きで、読みやすく、エロく、心理描写が巧みです
    • 喘ぎ声が結構特殊な感じはある
  • 女の子たちは割とチョロインではあるんですが、ヒロインが主人公を好きになる過程をしっかりと描いてくれるのがとても良い
    • ここをきちんと描いている作品は意外と少ない印象
    • 主人公が真っ当に格好良いのだ
    • 普段はそんな主人公にツンツンな態度をとるヒロインたちが、深層心理ではもうベタ惚れなのがたまらなく良いですね
      • 自分の恋心にまったく自覚が無いのもGOOD
  • クソ真面目な少年司祭という主人公の造形も上手くて、堅物男子がエッチな誘惑によってあわあわしつつも知らず知らずのうちに色に染まっていく感じが、これもある種のエロなのでは?と思った
  • この作品で描かれる性行為には、必ず何かしらの「言い訳」が用意されている
    • 素直になれなったり恥ずかしかったりで、直接そういうことをしたい、とは言い出せなくて、都合の良い「言い訳」を用いて、行為に及ぶ
    • 挿入許可確認に対して、口で答えるのは恥ずかしいから足を広げることで暗に許可を示したり、憎まれ口を叩きつつも体はめちゃくちゃに興奮してしまっている描写とか、この「素直になれなさ」を描かせたらこの人の右に出るものはいないのではないかと思います

 

言い訳をつくって襲われにくる男勝りな言葉遣いのボーイッシュJCを満足させてあげる話

  • 既に好き好き状態ではあるけど、外面はツンツンなボーイッシュ女の子といちゃいちゃする話
    • ボーイッシュの良さを分からされました 本当に可愛いです

 

今日も彼女たちは気付かない間にエッチな事をされちゃってるようです

  • 薬で眠らせてひどいことをする。女の子は何も気づかずに日常を過ごす。
    • このコントラストの美しさ
      • これがこの作品の核だと思います
  • 日常に根差したエロの良さ。作品を通して妙なリアルさがあり、「濃い」エロを感じた。
  • ヒロイン6人、竿役は複数なのもレパートリーがあって良い。そして竿役は1人残らずゲス野郎なのが最高でした
    • 尊厳破壊というと言葉が強すぎるかもしれないですが、イノセントな存在を貶めて、自分色に染め上げていくような描写が光る。自分の気持ち良さを第一にして、女の子の今後のことなんて考えず、撮るし汚すし中に出す
    • フィクションなんだからこれでいいのだ
  • 睡眠姦というジャンルは、女の子が嫌がる描写はないのに、女の子たちはめちゃくちゃ酷い目に遭っているという、倒錯的な、錯覚というか、欺瞞、みたいなものがズルくて良いです
  • 本来は泣き叫ばれるようなことを、意識がないうちに好き放題してしまう。やってることはレイプなのに、すやすや寝てる姿でその暴力性が中和され、罪悪感が軽減される。本当にズルくて卑怯で都合の良い、大好きなジャンルです
  • 睡眠姦描写でいうなら、ノクターン随一といっていいと思います。睡眠姦好きは絶対読んでほしい
    • 琴音ちゃんのバイト初日編は本当に傑作だと思います

 

俺の幼馴染が学生セックスバトル大会優勝を目指す話

  • 性に奔放な世界観のNTR(?)もの
    • 俺の大事なあの子が他の誰かとしてるシチュではあるけど、あくまでNTR風味といったくらいで完堕ちではないくらいのバランス
  • ヒロインは僕っ子幼なじみ、大人しめ金髪巨乳、黒髪ロリ部長という布陣
  • セックスバトルの描写が普通に読み物としても面白く、その面白さがエロにしっかり繋がっているのが素晴らしいです
    • 敗北エロ要素も結構あり、嬉しい
  • 悪役っぽいやつにもどこか憎めないところがあったりして、キャラクターの作り方もかなり好きでした

 

読み物として面白かった枠 

妹のいるリビングでオナニーしてみた

  • 頭のおかしい兄と、彼氏持ち妹の話
  • 読んでいるとき、映画ジョーカーを思い出した
  • ノクターンノベルズの、近親妹モノというジャンルでしか描けないだろう青春ジュブナイルで、きっとこの土壌でしか表現できない、魂を揺さぶる何かがあり、本当に感動してしまった 
  • 内容はかなりきつい描写も含むのですが、終わり方は割と救いがあり、読後感は意外にも良かった
  • エロ抜きの面白さで言えば、個人的2023ベストでした

 

義兄と私の全15章

  • XPJbox先生の新作。新年早々情緒をめちゃくちゃにされた
  • まさに『倒錯』という作品なんですが、物語は思わぬところに着地して、読み終わった瞬間、何か普通に泣いてしまいました。
  • 物語の語り手はずっと妹で、この妹はかなり狂ったところがあるんですが、彼女の心理描写はどこか共感できるところもあって、気づいたらすっかり感情移入していて、そのタイミングで入るエッチシーンが本当に気持ち良いんです
  • 救いようのない二人が互いに救われるような関係性、みたいなのが本当に好きです

 

良かった作品

天才魔術師美幼女お嬢様が中年親父にねっとり性魔術のレッスンを受ける話

  • じっくりねっとり開発されていく過程
  • 体格差って良いよね...

魔法少女が格下怪人にチンポおねだりして泣かされたあげく敗北願望を子宮に植え付けられるなんてありえない

  • わりと軽めの敗北エロ こんくらいのやつが好きです

ボックス席の少女

  • 電車の対面で眠るJKに...
  • 展開はご都合ではあるんですが、描写が妙にリアルでグッとくるものがあった

負けたら言いなりの学園生活 ~格闘少女たちの災難~

  • 少年漫画みたいな明るめでライトなエロをやる作品です こういうの好き

【 睡眠姦 】ゴブリン子作りに挑戦する 【 異種姦 】

  • あっさりめな文体なのに妙にエロい文章が魅力
    • ハードな展開を中和する作用もあり、陰鬱になりすぎない感じも良い

ある新体操部女子の記録~わたし達の部活が催眠アプリオジサンに乗っ取られて、肉体操作で辱めを受ける話~

  • 集団を催眠させて好き放題やるところが、本当に好き放題という感じで良かった
  • 結構好きだったんですが更新止まってて悲しみ

陽キャギャルがクラスの薄暗ぼっちに嘘告して偽デートでベタ惚れしたらツレのギャルたちもドハマりして仲良く棒姉妹に落ち着くまでのあらまし

  • お先にセックスしていたギャル友達の二人に両隣から見守られながら初体験しちゃうギャルの回がどちゃくそエッチでした

学校一美少女の手コキ会に参加していたら、気に入られて本番させてもらった話

  • 完墜ちしないNTR。クッソエロいです。
    • ヒロインの格が保たれる系のNTR好きなので増えてほしい

年末年始は嫁の彼女と義母と義姉妹と一緒にセックス三昧の年越し姫初めハーレム

  • ちょうどいいエロさ
    • こういうの、こういうのでうんたらかんたら

セックスしないと出られない村

  • 部活の練習試合の帰りに女子生徒三人を乗せて車を走らせていた高校教師・粟島琢磨は、山間部の村で急な大雪に見舞われ足止めを食らってしまう。粟島らはそこで、ある儀式への参加を強要される...
    • ヒロインズが割と乗り気なのがエッチで良かったですね

ハロウィンに浮かれるテーマパークで、俺だけが美少女3人とHしないと出られない観覧車に閉じ込められたり、お医者さんごっこしたり、4Pしちゃったりする話

  • 明るくバカなことをやったりする貴重なコメディエロ
    • こういうのめっちゃ好きなんです

空手道場の元気娘が全裸爆睡だったので美味しく完食しちゃった話

  • 主人公(男側)がめっちゃ気持ち良さそうなのが良き

現役JKの膣検査をするお仕事

  • 常識改変度50%くらいの塩梅なので、普通に嫌がっているのが嬉しい

クラスの女子たちと催眠アプリごっこ~偽の催眠アプリだけど女子に催眠されているフリをしてもらって遊んでいたら、どんどんエッチな雰囲気になって最終的にドスケベハーレムセックスしてしまった~

  • 最初は手を繋ぐとかハグをするとかでキャッキャ遊んでいたのが、徐々にエロい方向に進んでいくやつです
  • 「え、これもいけるの?」と本能の赴くままにエスカレートしていき、女の子側もまんざらではなく、教室全体の雰囲気がエッチになっていく感じが素晴らしい

17歳の可愛い女子高生とラブラブ子作り交尾をして愛し合って、そうして現役女子高生を妊娠させて赤ちゃんを産ませる。

  • 最近は珍しいスタンダードな純愛(?)系
  • 地の文が上手く、しっかりツボを押さえたテキストが良い。抜ける。
    • 女子高生という存在への妄執を感じた

先生に憧れの先輩も仲の良い幼馴染も実の妹もぜ~いん♥寝取られちゃうお話

  • 寝取られ要素は薄く、ほぼ快楽堕ちモノです
  • 極限まで『エロ』を追及した文章という感じで、とにかく突き抜けてて良いです。♥多用台詞好き。

伝説の聖剣がおちんぽなんて聞いてないんですけど!? ~ってか私、女の子なんだけどっ!~

  • ほのぼのふたなりイチャラブ百合えっち
  • ふたなりモノってほとんど読んだことなかったんですが、これはとても良かったです

父と姉が温泉宿で

  • 割と平易な文章なんですが、それが妙にリアリティを生み出しており、めちゃくちゃエロかったです

ロリサキュバスのおまんこ屋さん

  • 絵本の中の世界のようなお話
  • こういうエロもあるのだ。めっちゃ良かったです

ヤリチンイケメンクズチャラ男が異世界転生してハーレムをつくる話

  • 快楽堕ちモノ。ここまで突き抜けてくれると嬉しい
    • ヤリチンイケメンクズチャラ男系主人公、好きなので増えてほしいです
  • 割と序盤で更新止まって悲しみ...

君がもう少し早く告白しておけば、乃愛ちゃんとえっちしてたのは君だったのにねぇ♡

  • 最近よく見かけるBSSモノですね
    • 割と好きなのでよく読むジャンルなんですが、これが一番抜けました

ピンクツインテ爆乳アイドル「あんっ♡ 童貞くんのおちんちんでっ♡ ぉ゛♡ 処女膜破かれちゃいました♡ メス子宮にザーメン射精されてイっちゃいましゅ♡ ぉ゛ん゛♡ あ゛っ゛♡ は♡ あ゛♡ ぁ゛♡」

  • なんだこのタイトルは
    • となりますが、多分3回くらい抜きました。めっちゃ好きですこれ

 

良かった作品 2021年6月

紹介 / 感想を書きます。

少女☆歌劇 レヴュースタァライト

9人の舞台少女達が「レヴューオーディション」に参加して決闘するアニメ作品。演出がバチバチに決まっており、もうそれだけで100点というような作品だった。

最初から確固とした個我を持っている者、物語を通して新たな個我を獲得する者、登場人物全員に共通してどこか強欲なところがあり、それが自分勝手に見えることもあるんだけど、でもその姿がたまらなく光り輝いて見えてしまった。自らを貫き通すことの格好良さというか、それを口上を通して宣言するのもまた良い。星見純那さんの口上が特に好きです。

劇場版もとても良かった。とにかく演出で殴ってくる映画で、劇場の画面から放たれる質量熱量。大満足でした。

 

ゲームの王国

舞台はポルポト政権下のカンボジア。ひとつでもルールを違反すると殺される、命を賭けたゲームのような現実。作品の軸となるのは、天童といわれるほどの思考力を有するムイタックと、他人の嘘を見抜く直感を持つソリヤ。この2人の少年少女の生涯を描いた歴史SF小説

共産主義の功罪、相互監視、虐殺、腐敗政治、貧困、不正、不合理。描かれることは暗いことばかりなのだけど、強烈に惹きつけるものがありどんどん物語にのめり込んでしまう。終わり方も綺麗で、読後感は意外にも良かった。

 

アメイジング・グレイス

主人公は記憶を失いながらオーロラという壁に閉ざされた世界に辿り着く。舞台は学園で、授業は芸術のみ。放課後は全員が作品作りをしているという世界観で、現実の美術作品なども引用されており、物語にも関わってくる。

恋愛要素はおまけ程度で、メインはタイムリープものという感じだった(サブヒロインの正史√を選ばなくてもトゥルーエンドに辿り着けたりする)。プレイヤーが選択肢を選ぶことで物語が分岐するエロゲという媒体だからこそ出来るタイムリープSFで、かなり良いゲーム体験だった。

アメイジング・グレイス(大いなる恵み)というタイトルも本当に良くて、物語を通底するワードとして一本芯が通っており、エンディングで回収されたときにはかなり感慨深いものがあった。

 

祈る神の名を知らず、願う心の形も見えず、それでも月は夜空に昇る

転生、最強主人公、最初からベタ惚れのヒロイン。というところから一転二転三転してどんどん面白くなっていくライトノベル作品。

主人公を多重人格にすることで複数ヒロインなのにハーレム要素が無かったり、ともすれば胸焼けしそうになるヒロイン⇒主人公への好意描写などを(おそらく故意的に)ギャグ調で書いていたり、最強主人公よりさらに強いキャラクターを用意してそもそもスケールがめちゃくちゃでかい話にしたりと、読んでいて全くストレスが無かった。

この作者さんの文章はどちらかというと難しい部類だと思っていて(独自用語がめちゃくちゃあるので)、理解するために一旦戻って繰り返し読んだりするのだけど、クライマックスなど最高潮に達した時の文章は独特のテンポ良い文体で流れるように読めてしまう。この気づくと物語に没入してしまう文章が凄かった。あとは台詞の応酬というか、特に相手に喧嘩売ってるときの舌戦が最高で、ヒートアップして優等生の仮面が剝がれて売り言葉に買い言葉で本音が漏れてしまうやつとかがとても良かった。

良かった作品 2021年5月

紹介 / 感想を書きます。

ドキュンサーガ

http://hasama.hippy.jp/dqn/

WEB版の9話が前日譚なので、そこから読むのがオススメ。時系列が一気に進むタイプの現代ファンタジーSFもの。主人公最強という要素をうまく料理していて、面白いなろう小説を読んでいる時に近い感覚があった。 

海辺のキュー

田舎町のジメっとした人間関係。なんか友達に微妙に下に見られてたり、露悪ではないんだけどなんか厭な感じ、それが積み重なって爆発する。悪意ドリヴンで物語が進んでいるので求心力が強い。これを可愛い絵柄でやっているのが最高です。嫌~な漫画、だけどめちゃくちゃ面白い。

ダービージョッキー

騎手に焦点を当てた競馬漫画。競走馬は経済動物だと冷たく誠実に描きながらも、それでも人と馬の絆、人が馬を想う気持ちを熱く描き切っている。騎手に詳しくなれるのも良い。どうやって馬とわかり合っていくか、みたいな話が特に面白かった。好みとしては序盤~中盤あたりが一番良かった。

良かった作品 2021年4月

紹介 / 感想を書きます。

進撃の巨人

完結したとのことで全巻買って読んだ。いや~、面白かった・・・・・・。最初から最後までずっと面白くて本当に凄い。エレンが良かった。一貫した主人公はやっぱり格好良いな。

賭博黙示録カイジ

無料公開されていたので読んだ。予想以上に面白かった! 嘘喰いを読んだ時と同じワクワクがあった。カイジが思ったより等身大なキャラで、弱者根性が染み付いていたところから奮起して覚醒する過程が普通に熱くて良かった。

Ank: a mirroring ape

一頭のチンパンジーによって引き起こされた京都大暴動から始まる、パニックホラー、進化分類学SF、ミステリー、様々なジャンルがごちゃまぜになったエンタメ小説。人類はどうやって言語を獲得したのか、何がわれわれに意識を獲得させたのか、ヒトをヒトたらしめているものは何か。

実際の学術研究結果に基づいて、これはこういうことだったら面白いんじゃない?を極限まで発展させた感じで、言ってしまえば机上の空論ではあるのだけど、これが最高に面白かった。

僕の妻は感情がない

社畜リーマンと家事ロボットの異類婚姻譚。あるいは日常モノ。

1巻は丁寧すぎるほどに2人の関係性について描いていたので結構平坦な感じであったが、2巻がかなり良かった。登場人物が増えて世界が広がり、実際に人型ロボットが世に出たあとの社会、ルール、なども少しずつ描写されてゆく。

登場人物はみんな良い人なんだけど、優しすぎない、良くなりすぎないように書いている印象がある。ダメなところも言い訳せずにちゃんと書いている感じ。嘘っぽさが無いというか、この作中の雰囲気は何なんだろう。誠実さ?

みどりのマキバオー

競馬を題材にしたギャグ漫画だと高を括っていたら、正真正銘の熱血スポーツものだった。皆が物語を背負っていて、一生に一度の舞台で勝負をする、絶対に負けられない思いがぶつかる。何度も泣いてしまった。

2018年に読んだなろう+ノクターン小説紹介

お久しぶりです。

今回はなろうとノクターンから9作品の紹介となっています。

 


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なろう小説

Crawler's

797,278文字 / 連載中


主人公は汚染された地球を再生するための機関の一員。任務で遺伝子補正プログラムを運んでいる最中にトラブルに巻き込まれ異なる時空間に飛ばされる。目覚めるとそこは環境が再生された地球。やがて人類の冬眠施設であるドームポリスを見つけるが、そこにいたのは、知識を失くした女たちだった。彼女たちは謎の異形生命体に脅かされ、死に瀕していた......。

  • 今年読んだ中で一番面白かった作品。
  • この作品には本当に色々な魅力がある。少しずつ解明されていく世界の謎、手に汗握る異形生命体との戦闘シーン、そして個人的に最も琴線に触れたのが、登場人物の関係性と感情の動かし方。これが本当に良かった。
  • この作品の登場人物は男が主人公1人、残りは14人の女達で構成されている。この女性たちが、ただ主人公を妄信するのではなく(それっぽいキャラもいますが)それぞれ確固とした主義・思想を持っているのが良い。各々が本当にキャラが立っている。物語が進むにつれて女性たちが主人公を尊敬する派閥・憎悪する派閥に分かれるようになるあたりから、バチバチの感情のぶつかり合いが次々と発生して最高です。異形生命体にいつ襲われるか分からない極限状況下でのカオスな感情描写が素晴らしい。
  • ただ、全体を通してみればこの作品は、根幹が異なりすぎている登場人物たちがすれ違い続けながらもどうにかして共存していこうとする物語、だと個人的には思っています。少しずつ、少しずつだけど仲間としての意識が芽生えていくのが本当に良いです。
  • 感想欄に『思春期と反抗期の娘を大量に抱えたパパは大変!』みたいなコメントがあって、そういう話ではないんだけど、いやでもメチャクチャ的を射ているんですよね。彼らの関係性に最も近いのは確かに父と娘、な気がする。

 

 

火輪を抱いた少女

542,432文字 / 完結済


実験番号13番。
そう呼ばれて、特別な教育を受けて施設で育った赤毛の少女。
施設から出、ノエルという名を得た少女の夢は
“幸せになりたい"ただそれだけ。

獰猛で冷酷で無邪気。
黒き二又槍から炎を迸らせ、
赤毛の少女が敗色濃厚な戦線を圧倒する! !

  • 『死神を食べた少女』の七色またり氏の作品。世界観は微妙に繋がっているとかなんとか。
  • 少女が無双する作品における氏の筆力は本当に凄い。勢いのある戦闘描写、山あり谷ありのストーリーの作り方の上手さ、それを年端もいかない少女を軸に描いていくことで、さらに魅力的なものへ昇華させている。
  • そしてなんともカラッとした気持ちの良い主人公のキャラ造形が良いです。いわゆる俺tueeeっぽい嫌な要素が皆無。単純に読んでいて爽快です。
  • 基本的にキャラクターに焦点が当たっている作品なので比較的読みやすく、戦記物あまり読んだことないって人にもおすすめできる作品だと思います。

 

TS転生してまさかのサブヒロインに。

296,922文字 / 完結済


────引きニートが死んだ時、物語は始まる。ハーレムを作りたい童貞は、異世界でどう生き抜くのか。

特に重いテーマとかは無いです。ドタバタギャグがメインの、軽い気持ちで読んで頂きたい作品となっております。

  • TS転生してちっちゃくて可愛い清楚な白魔道士になっちゃったけど心は男のままなので男仲間と色街行ったり馬鹿やったり適当に楽しんでいたらひょんなことから鈍感勇者にときめいちゃってドキドキしちゃってもー大変!!!
    • って感じのどたばたラブコメ作品。
  • ラブもコメディーもどちらも高水準で、どちらかに偏ることない絶妙なバランス感覚がすごい。シリアスほぼ無しの基本明るい話なので読んでいて本当に楽しいし、TS主人公ちゃんがギャップ萌え要素を詰め込めるだけ詰め込んだ反則級の可愛さを備えたキャラなので本当にズルい。鈍感勇者くんによってどんどん女の子になっていっちゃう過程が最高で、なんというか新感覚の萌えを感じた。
  • 地雷要素なさそうなら是非読んでみてほしい一作。

 

花に惑いて虫を食い

252,800文字 / 連載中


昭和三十年。太平洋戦争における敗戦より十年、少しずつ復興のめどが立ってきた日本。しかし馴染めぬクズというのは何処にでもいるもので。
蓼虫(たでむし)と揶揄されるタチの悪い女衒、弥太郎(やたろう)。戦後の時代、彼は非合法の花街で、せっせと人身売買に勤しむ毎日を送っていた。

  • ゲスな女衒と神の娘が出会うことから始まる、非合法の娼館街でそれでも懸命に生きていく人々の、虫にまつわる奇妙で暖かな物語。
  • 『鬼人幻燈抄』の作者さんの新作。こちらも変わらずなんとも良い雰囲気で、雁字搦めになった感情が丁寧な筆致で描かれていく。
  • この作品に関してはもう、本当に良いので、読んでくださいとしか言えないな...。この作品を語るための語彙が足りない......。

 

悔打ちのジョン・スミス

301,971文字 / 連載中 


吸血鬼はびこる蒸気の都。魔を狩る騎士団へ赴任してきたシスター・ロコは、街中で襲い来た吸血鬼を撃退する男と出逢う。

「お前は俺に、命を救われたのだ。それなりの謝礼で以て応じて然るべきだろう」

  •  『吸血鬼・スチームパンク・異能バトル』の要素にグッときた人は是非読んでみてほしい作品。
  • 街並みの描写なども丁寧で、蒸気の都というスチームパンクな情景を容易に目に浮かべることができる。その世界での生活を色んな角度から描くことで世界観の解像度を上げる、みたいな手法が本当に上手い。
  • あとは関係性が良いです。無骨な男と生真面目な聖職少女みたいな、この作品の主人公とヒロインなんですけど、そういうのが本当に好きなんですよね…。
  • またメインキャラクターの過去に何らかの重要な秘密を仕込んでおいて徐々にそれを明かしていくやつも相変わらず上手いです。
  • 年末に第4部が始まるみたいなのでとても楽しみ。

 

 

世界の闇と戦う秘密結社が無いから作った(半ギレ)

336,727文字 / 連載中


ある日唐突にサイキックパワーに目覚めた主人公ッ! 主人公の力を狙う秘密組織が暗躍しない! 学年一の美少女が実は主人公と同じ超能力者だと発覚しない! 異世界への扉が開いて召喚されない! 主人公の生い立ちに秘密などない! サイキックパワーに目覚めた壮大な理由が明かされない! 普通ッ! 圧倒的日常ッ! 何事もないまま学生生活を終え就職! 過ぎ去る凡庸な社会人生活! 全人類を相手に戦争を起こして勝てるサイキックパワーがあるのに何事も無さ過ぎてキレる主人公! もういい! こうなったら俺が、俺自身が秘密結社になって暗躍してやるッ! ようこそ人工非日常へ!!!

  • もうあらすじが全てみたいなところがある。
  • この作品の作者さんは元々設定マシマシのどちらかというとキャラクターやストーリー以外のところをメインにした話を書いていた方なんですが(その頃の作品も大好きです)、今回はいわゆる売れ線を意識したような作品となっていて、それで実際にメチャクチャ面白い作品になっているのが凄い。
  • 様々なガジェットの設定の魅力を、そのまま自然にストーリーとキャラに落とし込んでいてとんでもないエンタメ作品になっている。
  • 来年に書籍化もするみたいで、どうか上手くいってほしいものです。

 


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ノクターン小説

以下はR-18なのでご注意を。

 

 

ゾンビは聖水に弱い

115,541文字 / 完結済


 小学生の頃、とある事件を切っ掛けに、俺は『利尿剤』という渾名をつけられて苛められた。過去は高校生になっても付き纏い、灰色の青春を送っていた三年生のある日、パンデミックが発生する。世紀末と化した世界で因縁の少女と再会し、過酷な現実を共に生き抜いていく中で、やがて俺は彼女の黄金水が武器になることに気付き……。

  • タイトルとあらすじから分かる通り、いわゆる一発ネタ作品ではあるんですけど、 そこに至るまでの過程の描写が上手くて、かなり好きな作品の1つです。
  • パニック系ですがそこまで深刻な世界観ではなく、文字数も手頃なのでさくっと読んで楽しめる良い作品だと思います。あとはヒロインが可愛い。

 

少女冒険者パーティを守りきれない!

146,467文字 / 連載中


予兆も何もなく異世界に転移した高校生、後藤陽翔。

何の指針も無く戸惑う陽翔を救ったのは少し先から自分を指差す黒髪ツインテ少女と、その周囲で不審そうに陽翔を見る数人の少女たち。
行くアテもなく陽翔は彼女ら冒険者パーティに拾われる事になる。

恩ある仲間の少女達、陽翔は冒険者ハルトとして彼女らを守ろうと誓う――出来るかどうかは別として。

  • この作品の魅力は、序盤はまるで本家のハーレム小説のように(ほぼ)エロ無しで平和に進行させてキャラの掘り下げを図り、読者にヒロイン達への愛着を抱かせ、そして中盤から色々悪いことをしていくところにあると思っている。前フリで焦らせば焦らすほど、堕ちた瞬間の魅力は増すもので。
  • いわゆるNTR系の作品に分類されると思うのですが、今のところ一時的にヒロインたちがひどい目に合って、それを何とか救出して、みたいな話で、また悪いことをしたやつにはそれなりの罰が下っていたりするのでそこまで胸糞な話では無いと思います。今後の展開については分かりませんが......。

 

性欲を我慢できなくなったとある高校生が好きな女の子とかにいろいろやっちゃう話

326,833文字 / 連載中


とある普通の高校の男の子が悶々とした環境に我慢できずに、好きな女の子とスキンシップしたり、いろいろしたりする話。

  • どこか頭のネジが外れている登場人物たちによるコメディ時空なエロ小説が好きなんですけど、この作品がまさにそれです。
  • NTR浮気スワップなどもう何でもありの作品なんですが、本人たちもなんだかんだ快楽に流されて楽しんじゃう感じが良いです。竿役が複数人いる作品増えてくれ~。
  • 『呪いのせいだから仕方ないよね』とか好きな方は絶対ハマると思います。

 

 

以上になります!面白そうな作品が見つかっていたら幸いです。

それではまた来年。

 

【2022年版】ノクターンノベルズのおすすめ作品50選

2024/02/26 追記:新しい記事を書きました!

【2024年版】ノクターンノベルズのおすすめ作品30選 - OWL BOOK

 

お久しぶりです。3年ぶりのノクターンノベルズ作品紹介です。

紹介コメントは出来るだけ簡略に。あらすじは本家からの引用です。★がついてるのは特に好きな作品。

エロ要素の割合も一応書いときました。【3:7】でエロ3割の意です。

 

 

ストーリー重視

現代

★ 極地恋愛

 【1:9】406,100文字 / 完結済

島に漂流した五人の男女。戸惑いながらもそれぞれの生き方を選んでいく。誰かと行動する者、誰かに頼ろうとする者。単独で生きようとする者。男と女でありその本能と良心、或いは思惑がありながらも交差し、衝突していく。

  • 登場人物の過去、憎悪、執念が複雑に混ざり合い綴られる、最高のダークストーリー。
  • 心の底をズドンと撃ってくるような話です。滅茶苦茶に面白い作品なのは揺るぎないのですが、もう当分は読み返すことは無さそう、そんな話。

 

俺と妹がセックスすることになった訳

3:7】119,023文字 / 完結済

ある日の夜、主人公は妹と共に近親相姦という禁忌を犯した。最初はお互いに目的があって恋愛感情なんてこれっぽっちも無かったのに、次第にその快楽に、お互いの体に溺れていく。そんな兄妹のある日の夜から始まったセックスライフ!

  • スタンダードながら兄妹ものとして完璧な一作だと思っています。 
  • エロに特化しすぎることもなく、ストーリー運びや心理描写も丁寧で読ませてくる。関谷あさみ作品っぽさを感じた。

 

寝たふり義妹と人斬りシザー

5:5】33,000文字 / 完結済

寝ているときは可愛い生意気義妹にイタズラをすること数年。まさかずっと「ふり」してたなんて……

  • 妹が寝たふりをしている時にのみイチャイチャシーンを描くことで、普段は兄に生意気な妹というキャラを最後まで維持し続けたところが本当に凄い。
  • 夜はキスして抱き合ってはちゃめちゃやってるのに、兄は妹が本当に寝ていると思ってるし妹は寝たふりが気づかれていないと思っているので、昼間は何もなかったかのように普通に振舞ってるのめちゃくちゃエッチじゃないですか?
  • 書籍化もされており、加筆分のストーリーも最高だったのでオススメです。

 

ぼくのことバカにしていた後輩JKギャルが全裸で土下座した逆転のハメ撮り48時間プレミアムパック 

5:5】48,047文字 / 完結済

中身はいちゃいちゃです

  • 過程のストーリーを描くのがめちゃくちゃ上手かった。会話内容とかもリアルなJKっぽさがありすごい。

 

幼馴染は俺相手なら手コキまでOKらしいので、童貞パワーを発揮して頑張って本番までOKにしてもらった話 

5:5】26,434文字 / 完結済

年頃の男子は、たまに暴走してしまいがち。

特に、気心の知れた幼馴染が「手コキしても良い」なんて言ってくれた日には、そりゃあもう大暴走してしまうものである。

  • お手本のような幼馴染もの。こういうのでいいんだよとなること請け合い。最高です。 

 

現代(ファンタジー) 

★ 成人すると塩になる世界で生き残る話

1:9】1,108,977文字 / 2章完結

ある夏の日、成人は肉体が塩になって死ぬ世界に一変した。未成年者しか生きられない世界の社会機能は容易く麻痺し、町では不良共が欲望のままに暴れ回る。各地域では学校単位に派閥を作ることで独自の法のもとに結束し、相互扶助と各種資源の確保に勤しみ始めていく。

そんな中、一人の少年は自宅に引き籠もってゲームをしていたところ、停電が切っ掛けで世界の異常に気が付くが、とある厄介事に巻き込まれてしまう。少年は盲目の少女と共に、異常な世界で静かなる追跡戦を開始した。

  • 作中の雰囲気はパニック+ダーク。全編通して緊迫感があり、ページを捲る手が止まらない。最高に面白い個人的イチオシ作品
  • ヒロインの造形が見事。底なしに善良で初心な盲目少女、自分に価値を見出せないポニテ少女。2章で出てくるアルビノ美少女も良いキャラしてます。
    • 主人公も沈着冷静で基本有能なので読んでいて気持ち良い。
  • パニックな世界観なので『依存』というワードは結構作中で浮き彫りになっています。ただ、一方的な依存が殆どで共依存のような関係は無い。このあたりの依存の矢印方向もうまいこと組まれている。
  • 正直精神的にかなりキツイ展開もあるが、それらを踏まえて描かれるストーリーが見事だった。そして主人公の内面描写もまた凄い。葛藤、絶望、発狂、そして彼が最後に辿り着いた答えとは。

 

★ ミックスベリーの花束

5:5】220,222文字 / 完結済

ある城館へ郵送物を届けに来た砂場一匠(すなばいっしょう)は、受取人が現れないことを不審に思い、内部へと足を踏み入れる。

そこには不審な貼り紙と一人のメイド『カルアベリー』が居た。
メイドの奸計に嵌められた一匠は彼女に弄ばれ、犯される。

目を覚ました時、彼の身体には異変が起きていた。

  • 各階に住まうゴシックな少女達を犯し、欺き、征服し、救い、下して、館からの生還を目指す男のホラー風味謎解き脱出劇。
  • まず特筆すべきは物語に仕掛けられたギミックの面白さ。少しずつ提示されていくヒント、明らかになっていく世界観。そして一切の無駄なくテンポ良く進むストーリーが素晴らしい。
    • 本編の約20万文字で10人もの少女達との駆け引きを描いていながら、それぞれキャラクター描写は克明であり、一人たりとも没個性的なキャラクターはいない。
  • 本編では主人公は少女達と敵対している訳なので、割と屈服させたり征服したりするシーンが多めですが、後日談(70万文字あります)では多幸感溢れる甘々なシーンも多々あり隙が無い。

 

さよならウィザード [New]

5:5】346,820文字 / 完結済

「魔法使いに会いたい」とエリは言った。
だから僕は【催眠術】で魔法使いになり学校を支配しセックスで階級を作る。
教室の空気にされたままいなくなった彼女に捧げるため。いつかエリがこの光景を笑ってくれたときに僕の魔法の物語は終わるだろう。
それまで世界は退屈な運行を続ける。

  • 催眠によって世界を支配した空虚な主人公が、催眠を捨てて世界を正常に戻すまでの物語。ラストシーンが本当に綺麗ですごい。
  • 鏑木チカさんのキャラ造形が100万点だった。
    • 誰からも認識されない魔法をかけられてそのまま退場するキャラかと思いきや、空気なのを良いことにとにかく好き放題やっている。猫のようなマイペースさ、誰も自分を認識しない世界で自由きままに日々を謳歌している姿が最高です。

 

ハイスクールハックアンドスラッシュ

5:5】1,713,795文字 / 連載中

少しばかり歪んだ幼年期をすごし、少しばかり歪んだ少年は、少しばかり普通ではない学園へと入学する。

一般社会から隔離された豊葦原学園は、その地下にダンジョンを有する常識から逸脱した学園だった。強者が優遇され、弱者は尊厳を踏みにじられる。ゲームのような法則に支配されるダンジョンは、現実世界にも影響を及ぼしていた……。

レベルアップ、クラスチェンジ、スキル、モンスター。強姦、輪姦、奴隷契約、倶楽部室という名の乱交場、校則で認められた権利を咎める者はいない。色欲に溺れて堕落するも、魂を鍛え上げて己を貫くも自由。立ち塞がるものは切り裂き、叩き伏せろ!全てはダンジョンを攻略する為に!

  • 舞台設定+世界観の構築力がとにかく物凄く、読み応え抜群
  • ストーリーは大体あらすじ通りなんですが、主人公が割とチート野郎なので結構コメディ要素が強い感じです。 
  • 定期的に描かれるサブキャラのドロドロに爛れた学園日常描写が好き。

 

パンデミックで俺は英雄になった

3:7】308,319文字 / 連載中

――パンデミック。街にはゾンビが溢れ、和矢もその一員となるはずだったのだが……寸前のところで学生グループに助けられ、ショッピングモールという安住の地を手に入れた。

しかし彼らもまた、本当の安全を求めて旅に出る。
どこか初恋の女性に似た、一人の少女を残して……。

  • ゾンビものですが、主人公もヒロインも"見た目"は普通という設定なので忌避感はあまり無い。
  • こういう「終末感漂う雰囲気の中で二人依存しあいながら堕落していく」感じが本当に良い。退廃的なエロは最強。
  • ゾンビ化するにあたり「痛覚」も無くなるわけですが、なぜか「快楽」を感じることはできるらしく、主人公との行為を重ねるごとに段々と小悪魔化していく少女が最高に可愛い。

 

ゾンビは聖水に弱い 

2:8】115,417文字 / 完結済

 小学生の頃、とある事件を切っ掛けに、俺は『利尿剤』という渾名をつけられて苛められた。過去は高校生になっても付き纏い、灰色の青春を送っていた三年生のある日、パンデミックが発生する。世紀末と化した世界で因縁の少女と再会し、過酷な現実を共に生き抜いていく中で、やがて俺は彼女の黄金水が武器になることに気付き……。

  • タイトルとあらすじから分かる通り、いわゆる一発ネタ作品ではあるんですけど、 そこに至るまでの過程の描写が上手い。
  • パニック系ですがそこまで深刻な世界観ではなく、文字数も手頃なのでさくっと読んで楽しめる良い作品だと思います。そしてヒロインが可愛い。

 

幽囚学園 ~霧に閉ざされた世界~ 

5:5】573,588文字 / 連載中

卒業式を終えた小野忠明は、気がつくと教室に倒れていた。そこは霧に閉ざされた学園。
人肉を貪る怪物が徘徊する恐怖の世界だった。
目覚めた忠明や、幼馴染の宮本茜、思いを寄せていた佐々木冬香、クラスメイトたちはそれぞれに1枚のカードが配られており、そこに記された超能力を身につけていた。
女体を快楽漬けにして苗床にする触手怪物、邪な欲望を持つ男たちから仲間を守り、忠明は霧に閉ざされた世界から生きて帰ることができるのだろうか……

  • 悪役かつ竿役でもあるおじさん教師がかなり最悪で魅力的で良いです。
  • ゲームに敗れ、大事な仲間が催眠洗脳されて奪われていくのをただ見ていることしかできない主人公・・・・・・。デスゲームと寝取られの親和性は素晴らしいですね。

 

 

異世界

ヴァルキリーの寵児、英雄の運命を与えられる~高潔な乙女たちを屈服させながら名を馳せてゆく話~

5:5】652,142文字 / 完結済

「これは俺のものだ」
翼を奪われたヴァルキリーは、相手の言いなりになる。
すべてを失くした男は、ヴァルキリーを服従させるために翼に手を伸ばす。それが彼を英雄とする運命の始まりであるとも知らずに――。

これは、ひとりの奴隷身分の男が、ヴァルキリーをはじめとしたさまざまな高潔・高慢な乙女たちを服従させたり屈服させたりしながら、英雄として成長してゆく話。

  • 居丈高なヒロインが主人公に優しく堕とされていく過程が最高。ヒロイン側の心理描写がめちゃくちゃ丁寧なのでそちらに感情移入してしまいがち。
  • 序盤の主人公は色々とスレてますが根っこは真っすぐで良いヤツ。何だかんだヒロインを大切にしていて、ヒロイン側もそれを理解している。あらすじでは屈服やら服従やら書いてますが大体いちゃラブしてる気がします。
  • ヒロイン回転式でちゃんと一人一人をしっかり掘り下げてるのもGOOD。

 

復讐のヴェンデッタ -super dosukebe story- 

5:5】1,039,956文字 / 連載中

いうほどそこまで復讐に固執してないファッション復讐者の主人公がなんやかんやヒロインの旅に同行することとなり、なんやかんや各地を旅しながらヒロインとかにスケベなことする話。
ヒロインは主人公以外の男にもスケベなことされる場合があるのでご注意を。

  • 文句を言いながらもムードに流されて良いようにされちゃうヒロインちゃんが可愛いやつです。
  • 主人公が大真面目に馬鹿なことをやるイカれた人間なのも良くて、オレオレ倫理観で大暴れする様はむしろ清々しさを感じるほど。ポップなノリでNTRや輪姦が横行する最悪な世界観が良い。

 

 

ギャング・オブ・ユウシャ

 【2:8】453,636文字 / 完結済

貧困家庭で生まれたショージには勇者の資質があったが、酒とポーションに溺れる怠惰な毎日を過ごしていた。暴力だけを頼りに日銭を稼いでいるところで、才能はあるが借金まみれの錬金術師の小娘と出会う。小娘が製造するポーションは、最高に頭がぶっ飛ぶ高純度の回復薬であり、素晴らしく金になる品物だった。 

  • ダークでギャングで破天荒なワル全開の娯楽小説
  • そして間違いなくワルなんだけども外道にはなりきれない主人公が良い塩梅でした。あと書籍版の絵がめっちゃ良い。

 

Twins Knight Saga ~双子の勇者の転生戦記~

5:5】963,933文字 / 完結済

高校2年生の双子の兄弟、想夜藍句と想夜伊恩。交通事故により命を落とした2人は、あの世直前で女神に呼び止められ、異世界へ転生する。
魔法やら何やらが存在するその世界、生き残りのカギは、力と知略と人脈と……!?

滅びゆく世界を救うため、そして現世に生き返るため、若さ・才能・チートを武器に、アイクとイオンの戦いが始まった! 

  • 内容自体は普通の異世界チーレムものなんだけど、双子の主人公ってのが珍しく、そして面白い。
  • ヒロインはまあまあな数いるんですけど主人公が2人なので上手いこと分散されている。ストーリーは本当に王道のなろう系って感じです。

 

注文の多い魔王城攻略され記

 【8:2】311,685文字 / 完結済

魔王は積年の恨みを晴らすべく、魔王城をセクハラ仕様に改造した。挑むは女ばかりのパーティー。ボクっ娘勇者、男勝り戦士、清楚僧侶、ロリ魔法使いの4名様だ。変態紳士の魔王によって設計されたトラップの数々が勇者たちを襲う。勇者達はエロ魔王城を無事に攻略できるのか……それを魔王がハラハラしながら見守るというベリーライトなエロノベル。一応、主人公は魔王です。

  • ストーリーがあるエロダンジョンもの、良いです。ヒロインを4名に絞ってしっかり掘り下げてるのも良い。

 

追放され過ぎた武僧の成り上がり生活

3:7】2,120,627文字 / 無期限更新停止

これは周りから蔑まれていた男がどんどん強くなって成り上がり、刃向かってきた女の子を性的に屈服させて性処理係兼魔力袋としてハーレムの一員にしていく物語(の予定)。

  • 成り上がりものの傑作。エロ描写は青年向けっぽくて個人的にはあんまりだったんですが、とにかく物語が面白くて一気に読んでしまった。
  • 更新停止悲しい・・・・・・。

 

アストロキング -召喚勇者のエッチな大冒険- 

5:5】100,448文字 / 完結済

ある日、突然異世界に召喚された高校生たちは、エリュシオン王国で勇者に祭り上げられた。戦いの訓練を施されてダンジョンに挑む見返りは、館に用意されたメイドたち。毎晩入れ替わりのメイドによる夜伽はもちろん、いつでもどこでも種付けし放題。
スーパー頭悪いメイドパンパンファンタジー。

  • ほどよい俺TUEE進行でさくっと楽しめる一作。サブキャラが結構魅力的なのも良かった。 

 

NTRファンタジー-勇者の股間の剣-

 【4:6】955,762文字 / 連載中

勇者の使命は二つある。一つ目は勇者の剣で定期的に沸く魔王を倒すこと。二つ目はハーレムを作り勇者の股間の剣で強い子孫を沢山残すこと。だが勇者は魔王を倒した際に呪いで不能になってしまった。そして実は生きていた魔王の勇者ハーレムを寝取る旅が始まった。

  • 気弱な勇者を仮主人公に据えて周りの女の子たちを寝取っていく系の作品は結構ありますが、この作品はその中でも頭一つ抜けていると思います。
  • ストーリーがしっかり練られているのも良い。

 

本家が絶えそうなので分家の俺が種馬

3:7】335,869文字 / 連載中

「我が娘とセックスしてもらう」
「は?」

王国五大貴族の一つ、フレグランス家には男子がおらず、苦肉の策として分家から若い男を選び、本家の女とセックスさせて産まれた子供を後継ぎにしようとした。

そして選ばれたのは分家の分家、そのまた分家の俺だった。

  • シチュエーションと文章が好き。細かい世界観設定とかもちゃんとしていて丁寧な作品だな~と思います。

 

エロ重視

現代

★ 生意気な妹が清楚ビッチな友達を連れて来た

 【8:2】260,364文字 / 完結済

コミュ障童貞兄と生意気な処女妹が、清楚ビッチの友達に手ほどきを受けたりしてあれこれされる話。負けず嫌いの妹がビッチと張り合ったり騙されたりして、徐々にエロ行為に手を染めていきます。※ネトラレやシリアス展開一切無しの、ライトなノリのエロコメディです。エロはM寄りのノーマルなものになります。

  • 生意気な妹がデレるまでの過程って最高だよねという話
  • 負けず嫌いでなんでもかんでも兄にマウントとってくる妹ちゃんが兄のヘタレ攻めにたじたじになっちゃうのがま~~~~~最高。
    • 妹ちゃんがデレた後もちゃんとツン成分を保ってるのが良い。
  • 清楚ビッチな友達ちゃん←兄←妹の三角関係も上手い。友達ちゃんもまたヒロイン力が高くて、詳しい展開は伏せますがまあドエロいことになります。

 

★ 妹が痔になったので座薬を入れてやった件

7:3】471,942文字 / 完結済

美少女でおしとやかな妹が、なんと切れ痔に!誰にも相談できず、兄の俺に打ち明けた妹。俺はさっそく座薬を買ってきたのだが……。

妹の友達(百合友)ツンデレ香奈ちゃんも巻き込んで、事態はエスカレートしていく……。

  • めちゃくちゃライトでコメディな妹モノ。シリアス無しの軽いノリで読める近親モノって結構貴重。ヒロインは妹含め3人。
  • 作者さん曰く『ハードさよりも、羞恥追求!羞恥こそが至高!作者は女の子が恥ずかしがる姿をなにより愛しています!』とのこと。全く以て完全同意でございます。
  • キャラクター造形とシチュエーションの作り方が上手いのでヒロインの可愛さがとんでもない。恥じらう女の子は至高。

 

★ 複数姦とかしちゃうヒロインばかりなんだけど、果たして青春ラブコメは成立するのだろうか

7:3】311,385文字 / 連載中

主人公は文藝部の二年生。後輩の男の娘の策略でロリ美少女な部長と三人でエロい事を楽しむ関係になってしまいます。日を追う毎に過激になる三人の遊び。スワッピングを目論む先輩カップルや、主人公を密かに想うクーデレ同級生までも加わって、主人功を取り巻くエロと恋愛の騒動が広がっていきます。3Pや乱交までしちゃうヒロインたちだけど、ちゃんと恋愛してる普通の女の子なのです。

ラノベちっくな学園ラブコメの世界観で、複数プレイを描くのがコンセプトです。和輪姦という作者の特殊な性嗜好を満たすために書いています。陵辱的な要素は一切ありません。あくまで描くのは和輪姦。即ちイチャラブな輪姦です。

  • 『ラノベちっくな学園ラブコメの世界観』ってのがかなりそれっぽく、それに上手いこと違和感なくエロ要素が乗っ掛かっている。
  • しかもそのエロが和輪姦という特殊プレイなのがさらに良い。日常と非日常のコントラストがエロを際立たせています。
  • プレイ内容は輪姦ばかりって訳では無く、普通に1対1のいちゃらぶエッチもあればNTR、スワッピングも有り。でもメインは輪姦。嫌がる女の子を無理やりみたいな展開は無くて、大体は雰囲気に流されちゃう感じのやつです。
  • キャラ造形は絶妙の一言。特に男側のキャラが上手いこと作られてるなと思います。あとは小柄でお嬢様な部長がめちゃくちゃエロ可愛い。

 

性欲を我慢できなくなった高校生が好きな女の子とかにいろいろやっちゃう話

7:3】 1,332,571文字 / 連載中

とある普通の高校の男の子が悶々とした環境に我慢できずに、好きな女の子とスキンシップしたり、いろいろしたりするところから始まる話。
 主人公はヒロイン以外の女の子にもたくさん手を出したりしちゃいます。ヒロインがレイプされたり浮気したり他の男に差し出されたりしますが、基本的にはほのぼのしてると思います。あまりシリアスな展開はありません。主人公はヒロインのことが大好きですが、性欲が強く、誘惑に弱いです。
 ついでに色んな男女が主人公を置いてけぼりでそれぞれに性欲を発散させてます。

  • どこか頭のネジが外れている登場人物たちによるコメディ時空なエロ小説が好きなんですけど、この作品がまさにそれです。
  • NTR浮気スワップなどもう何でもありの作品なんですが、本人たちもなんだかんだ快楽に流されて楽しんじゃう感じが良いです。竿役が複数人いる作品増えてほしい。

 

僕たちの教室にイジメはない

8:2】552,734文字 / 完結済

クラス委員長の島牧渉は、ある日、その正義感と真面目な性格ゆえに同じクラスの女子三人組からイジメられるようになる。
男子よりも性的にませてる女の子たちによるイジメはどんどんエスカレートして、このままじゃ教室はハーレムに?
(性的な意味で)イジメっ子を攻略して明るく健全な教室を取り戻せ!

  • 小学校を舞台にしたいわゆるロリショタもの。
  • 序盤はほとんど女の子優位ですが中盤あたりから対等な感じになってきます。
  • その対等な感じになっていく理由が、ただただ真面目で良いヤツな主人公に女の子側が次第に惹かれていくからってのがまた良いですね。
  • ヒロインの配置はメイン3人サブ4人くらい。

 

口の悪い兄妹がお互いを罵りながらエッチする話

 【7:3】短編連作 / 全4作

ツン×ツン。
バカップル兄妹のイチャラブです。

  • タイトルが全てです。口の悪い兄妹がお互いを罵りながらエッチする話が好きな人は読んで損はありません。
  • 毎話ほんのちょっとだけデレ要素があるんですが、短いシーンで描かれるクリティカルな一撃はまさに匠の技。ギャップ萌えは最強の萌え要素であるということです。

 

純粋無垢な箱入りJCお嬢様をレイプしようとしたらなんやかんや両思いだったから和姦になって丸く収まる話

 【4:6】18,689文字 / 完結済み

よかれと思ってあまり両親が帰ってこず寂しげだったお嬢と仲良くしてたら、電話で雇用主に「娘を誑かしてどうするつもりだ」とか「恩知らず」とか「財産目当てか」とか「そういう卑しいところが両親とそっくりだ」とかめちゃくちゃに怒られた。そんな心配ならもっと帰ってこいよ。
 もう完全に気分が萎えて「そんな気なかったけどマジで手を出してやる」、「もうどうにでもなーれっ」くらいの気持ちになったので、お嬢をレイプすることに決めた。

  • 上品で無垢な箱入りお嬢様にエッチな台詞を言わせるところにヘキを感じました。背徳感ある行為はエロさを際立たせて良いものですね。

 

ときどきキュン死しそうになるんだけど、体だけの関係で良いんだよね?

5:5】69,286文字 / 連載中

ひたすら理屈っぽい鬱陶しい系男子な主人公。彼が所属する部活には、イケイケのJKスタイルながら実はぼっちという残念すぎる先輩がいた。ただ部室で無為に時間を浪費する日々を送っていた二人は、ある日、暇にかまけてエッチな遊びに手を出してしまう。

  • 部室に二人っきりの先輩後輩という舞台設定が好き!

 

入院がちな幼馴染のあの娘を寝取られて…

8:2】421,073文字 / 連載中

病弱で入退院を繰り返す真帆(まほ)と幼馴染の朋貴(ともき)。
二人はやがて恋人同士となるが、真帆の新たな担当医となった男、
駒城幸人(こましろ ゆきと)は真帆の身体を狙っていた。
病院を舞台に駒城の謀略がじわじわと真帆に迫っていく…

  • おとなしい彼女がイケメン医師に寝取られる話。
  • 寝取る側がハイスペック男だと、流されるヒロインにも妙にリアルな質感が生まれて良い。ヒロインに感情移入ができてしまうのも、さらにエロさを増長させます。

 

部活で疲れた少女がマッサージ屋に行く話 連載版

7:3】134,608文字 / 完結済

日々の部活で疲れのたまっていた少女はある日、帰り道の途中にマッサージ屋があることに気付く。ご新規様半額サービス中……。その宣伝文句に惹かれ、ふらふらと中へ入ってしまう少女。初めてのマッサージにドキドキしながらも、気持ち良さから少女は眠りに落ちてしまう。

  • この作品の影響で睡眠姦にハマってしまった。

 

生意気なメスガキ妹のマゾ本性

 【9:1】25,836文字 / 完結済

ロリビッチ気取りのメスガキ妹(処女)を屈服させて使い勝手のいいロリオナホにする話。

  • 主従逆転の流れが綺麗すぎてお見事です。愛のある分からせは最高ですね。

 

 現代(ファンタジー)

ある日突然男友達が美少女になっているなんてよくある話で

8:2】89,848文字 / 完結済

なんだかんだで男友達と一緒に居るのが一番楽しい。
連れションしたり、ナンパしたり、馬鹿な事を話して、馬鹿な事をやる。
どんなに可愛い子と付き合えても、そんな風に気兼ね無く笑える事なんて無い。

でも待てよ。
それじゃあ男友達が美少女になったら最強じゃないのか……?
青春TS友達ックス物語始まります。

  • 信じられないくらいエロいです。とりあえず読んでみてほしい。
  • BL的なアレは全く気になりませんでした。描写が上手すぎる。

 

メカクレTSっ娘がヤリチンイケメン幼馴染とのセックスに至るまでの日数 [New]

9:1】86,200文字 / 完結済み

三日

(ヤるだけ中編)

  • 小柄で薄い身体の女の子にTSしてしまった読書が趣味の大人しい男の子が、高身長イケメン幼馴染に優しく堕とされる話。
  • TSモノからしか得られないエロさがある。

 

お父さんは戦闘員

8:2】801,798文字 / 完結済

愛と反抗期の閃光少女キュート・ブラック!
愛と好奇心の薫風少女ピース・ホワイト!
そしてはじめまして。私、悪の組織ダークソウル活動課不良係の戦闘員、神崎マサトと申します(名刺スッ)

中年サラリーマン戦闘員マサトの悲哀に満ちた戦いと受身系ハーレムの日々。

  • 超常識人なお父さんが悪の組織の戦闘員に再就職して色々とえっちなことになっていく話。主人公がちゃんとしたおっさんなのが良い。
  • ヒロインは結構多彩で大体4~5人くらい。
  • ハートフルな雰囲気もありつつ、エロいところはしっかりエロいです。あとは文章の安定感。これが結構大事だったりする。

 

たいむすりっぱ〜

9:1】97,812文字 / 完結済

くたびれた大人だった俺がある日突然小5に戻ってしまった!
そして繰り広げられる、「女王様」と呼ばれる超美少女との果てしない攻防!そんな話です!いや何かちょっと違うな!

  • ありきたりな設定、シチュエーションなのにエロ描写が非常に巧み。とにかくエロい。最高。

 

魔法少女はみんなドスケベだからレイプ怪人にはやっぱり敵わない

9:1】566,414文字 / 連載中

怪人レプアルこと玖条壮馬はフリーランスでレイプ活動を続けていたが、三年目の節目に思い切って大手悪の組織「バイオレン」に入団することを決意した。その入団テストで壮馬と対決することになったのが巨乳巨尻の無自覚ドスケベ魔法少女、マジカル・アイリスである。白熱した戦い――には残念ながら至らず、クソザコ魔法少女だったアイリスは腹パン一発で敗北してしまい、壮馬の公開レイプショーが始まった!         

陵辱色の強いお話ですが、なるべく明るい雰囲気で進めていきたいと思ってます。

  • ギャグ時空のなんでもあり世界観。男優位でめちゃくちゃやりつつも全く悲壮感がないのが読者に優しいですね。

 

異世界

★ 呪いのせいだから仕方ないよね

7:3】2,328,190文字 / 連載中

タイトルのとおり、呪いをかけられたせいでどうでもいいことにすら興奮するようになった主人公が「呪いのせいだから仕方ないよね」と言わんばかりに、ファンタジーっぽい世界でいろんな女の子に手を出す、コメディ風の話です。基本的には主人公に優しい世界で、適当な話です。主人公の性格も超適当です。

  • NTR有りのハーレムもの。NTRモノが苦手なので少し敬遠してた作品だったんですが、いざ読んでみたら滅茶苦茶にハマってしまった。
    • ヒロインは全員他の男とヤっちゃうんですけども、キャラクターの作り方と関係性の構築が上手すぎるので嫌悪感は限りなく無に近いです。NTRのエグみを上手いこと消してエロさだけがそのまま残ってる感じ。
    • 登場人物が男女ともに明るくあっけらかんとしていて悪意というものが存在しないので読み心地が良い。割とギャグ時空なのもそれを助長しています。男達も皆名前持ちで何だかんだ憎めないキャラだし、ヒロイン達も雰囲気に流されたりしちゃうけど一番好きなのは主人公ってのは最後までブれない。
  • ストーリーは日常系のエロコメディという感じで、主人公含め男キャラは6~7人でヒロインも同じくらいの人数。全てのキャラを掛け合わせることが出来るのでエロシチュエーションは無限大。約220万文字飽きることなく楽しめるのは凄い。
    • 他の男と寝た後のヒロインとの上書きいちゃらぶエッチも良いですが、やっぱり主人公以外とヤっちゃってる時の背徳感が中々どうして良いものです。仲良い男女の友達同士で……みたいなシチュが好きです。
  • ヒロインは小柄で可愛い系な子が多め。各々の属性を雑に分類するとツンデレ/清楚/奔放/不思議系/馬鹿/お姉さんって感じです。不思議っ子が好き。

 

少女冒険者パーティを守りきれない!

 【5:5】770,896文字 / 本編完結済

暴力や権力はては薬品、魔法を使ったレイプが蔓延り、ダンジョンに潜ればエロトラップが発動、モンスターは人間の女の腹を使って繁殖するこの世界。
恩ある仲間の少女達、陽翔は冒険者ハルトとして彼女らを守ろうと誓う――出来るかどうかは別として。

  • この作品の魅力は、序盤はまるでなろうのハーレム小説のように(ほぼ)エロ無しで平和に進行させてキャラの掘り下げを図り、読者にヒロイン達への愛着を抱かせ、そして中盤から色々悪いことをしていくところにあると思っている。前フリで焦らせば焦らすほど、堕ちた瞬間の魅力は増すもので。
  • いわゆるNTR系の作品に分類されると思うのですが、今のところ一時的にヒロインたちがひどい目に合って、それを何とか救出して、みたいな話で、また悪いことをしたやつにはそれなりの罰が下っていたりするのでそこまで胸糞な話では無いと思います。

 

★ 聖少女学園ソフィア - 戦うJCがひたすらエロい目に遭う学園モノ

9:1】235,859文字 / 完結済

聖女と呼ばれる少女たちが変身し、現代に突如湧き出る魔物を退治する世界。

スノードン王国の王女ソフィアは十二歳で日本に留学、桜ノ宮聖少女学園で見習い聖女として戦う。時にオークなどの魔物に犯され孕まされ、時にただの人間にもヤられて出産させられ、ソフィアは気が付けば孕まされることに興奮を覚える変態マゾになっていくが…それでも折れることなく同級生の蛍たちと共に日々戦っていく物語である。

  • 異種姦モノの金字塔的作品(だと勝手に思っている)
  • 妊娠→出産の流れがめちゃくちゃ軽い世界観なので、惜しげもなく孕ませ展開を連発してくるのが強い。この作品のせいで性癖が捻じ曲げられました。

 

ワケあり銀髪ロリ令嬢剣士と秘密の愛人契約 [New]

9:1】34,377文字 / 完結済み

明らかに高貴な出自なのに素性を隠している不穏な美幼女剣士ちゃんにうっかり惚れてしまった宿屋のスケベオヤジが相手の弱みに付け込んでヤりまくりハメまくりの愛人関係になる話です。

  • 身分差、年の差、体格差。
  • 最終的に純愛になるのも良く、睡眠姦の傑作でもある。

 

エロバラエティダンジョン! [New]

7:3】150,282文字 / 連載中

司会進行を名乗る人形に入り口を閉ざされ、ダンジョン踏破を余儀なくされた5人の男女。
セクハラクイズや障害物を乗り越えて進む少女らは否応なく、共に進む男たちやモンスターの白濁で汚れていくのだった。

  • この作品のメインキャラクターは、なろうで連載していた2つの別作品から持ってきた男女1組ずつと、この作品から登場する竿役1人という男3女2という構成になっている。
  • もちろん別作品からの男女組はすでに関係ができているわけなんですが、様々なエロ試練を経るうちに女の子たちは徐々に竿役に惹かれていってしまう。
  • 「この(女の子)二人については本番行為まではいかない予定になっております」と作者さんによる明言がされている通り、徹底的に寸止めされる。この制約が逆にエロさを増しているのがすごい。
  • とにかく雰囲気に流される女の子を書かせたらこの人の右に出るものはいないと思います。文章も上手く、柔らかそうな体の描写が素晴らしい。

 

アヴァロンの迷宮~純粋無垢な姫巫女を触手チンポの奴隷にする~

6:4】1,058,273文字 / 完結済

ひょんな事によって異形の股間を手に入れてしまった主人公、娼婦にすら逃げられむせび泣く。そんな彼の元に、ある日父王から命令が下される。それは――『アヴァロンのダンジョンを攻略せよ!』

古魔導師が生み出したそのダンジョンになら、股間を戻す秘宝が眠っているかもしれない! そう考えた主人公は、昼はダンジョン攻略、夜は姫巫女の奴隷化調教に勤しむ日々を送る事に。かくして彼は股間を元に戻す事ができるのだろうか?

  • 純粋ヒロインの快楽堕ちは最高という話。NTR無しで多幸感溢れるいちゃラブえっちがメイン。
  • メインヒロイン一人に複数のサブヒロインという構成。ちゃんとメインヒロインをしっかり主軸に据えてるのが良いです。

 

異世界でビッチな女神様の信者を増やす簡単なお仕事です

6:4】587,347文字 / 連載中

異世界転移モノですが主人公はモテモテではありません。むしろ周囲の女の子に蔑まれるところがスタート地点。主人公はアラフォーのおっさんですから、異世界に行ったところで急にモテるわけがないのです。

素人童貞だから女の子に関する知識は風俗によるものばかり。歳ばっかりくってるから無駄に慎重で小心者。そんな等身大の主人公が剣と魔法のファンタジー世界に順応しながら、女の子たちの心と股を徐々に開いていくお話です。

  • 大体あらすじ通りです。冴えないおっさん主人公が好き。
  • この作品はとにかく、焦らしが上手い。主人公のえっちシーン自体はそんなに多くないんですけど、焦らして焦らしてからの逢瀬回がもうほんとに良くて、カタルシスすら感じるほど。ルルちゃん回はマジで最高です。

 

邪神ちゃんの性教育 

9:1】609,719文字 / 連載中

これは、自称普通の人間荒木圭太が褐色幼女な邪神ちゃんに異世界召喚されて、プリンを勝手に食べた罪で弱体化の呪いをかけられ幼女化した無知な神様と一緒に迷宮攻略するとみせかけて、ひたすら間違った性教育を施して自分好みの淫乱幼女に仕立て上げるお話。

  • アブノーマルな性癖全部盛り。文章がかなり良くて、時々はっとする表現があったりする。

 

ダンジョンが思った以上に深くてどうしようもないので攻略を諦めて女の子を口説いていく事にした 

5:5】172,256文字 / 連載中

ダンジョン攻略を諦めた転移者のタケルが女の子を口説いたり娼館に通ったりする話。多分冒険要素はあんまりないです。

  • 主人公が能動的なナンパ男なのが良いです。口説くというフェーズを挟むだけでなんでこんなにエロさが増すんでしょうかね。

 

俺が精液を中出しすると発動する異世界の回復魔法

7:3】240,945文字 / 連載中

サラリーマンの俺は、唐突に化け物に襲われた異世界の街に立っていた。
目の前にはオークに襲われ瀕死になった、女子高生でセーラー服姿の少女。そして、視界の隅に立ち上がるクエストウインドウ。

あなたの魔力の塊である精液を、瀕死の少女(処女)の膣内に中出しすれば、少女は助かります。

  • 抜きゲーみたいな設定の話。シンプルな文章から生み出される分かりやすいエロさが魅力です。 

 

睡眠時異世界転移症候群 

8:2】485,344文字 / 連載中

新学期を迎えたちょっとヤリチンの主人公、レン。
男女比が3:7という好環境の学校での新生活に胸を高鳴らせていた。
今年は何人とセックスできるかな。
そんな彼のお気楽な人生は、ある日の朝を境に激変してしまう。
目覚めるとそこは異世界。

  • エロ方面で完全に頭のネジが外れてる主人公が現世で異世界で好き勝手やる話。
  • 一応ちゃんとしたストーリーがあったりしますがエロが強すぎる。

 

魔女のお姉さん達による強制ハーレム

8:2】125,838文字 / 完結済

平凡に暮らしていたハズの少年が強制的にハーレム展開に叩き込まれるお話。

  • ショタな主人公が色々とえっちなことに巻き込まれてく話。
  • 全編通して雰囲気がほのぼのとしていて、なんというか読み心地が良い。ロリショタがメインっぽいですが、おねショタもそこそこあります。

 

うちのパーティーはメスガキだらけ [New]

7:3】540,371文字 / 連載中(無期限更新停止中)

カイル・レーンウッドは人生楽がしたくて司祭になったような男である。
しかしなんの因果かある学院へと派遣され、オマケに未来の英雄候補少女たちのパーティーにお守り役として付けられてしまう。
パーティーメンバーの少女たちはどれも天才揃いで凡夫のカイルを蔑む毎日。
ところがそんなある日、逆転の機会が訪れて……。

  • おじさん主人公が言葉巧みに生意気な少女たちを手籠めにしていく話。
  • 強気に振る舞うも内面は年相応にか弱い女の子の心理描写が抜群に上手い。
  • こういうジャンルは堕ちる瞬間ありきなところがありますが、この作品はそれ以降のイチャラブパートも良かったです。

【新版】小説家になろうのオススメ作品40選

web小説の紹介記事を書き始めて早3年。なろう読み専としての総決算のつもりで書きました。これが今私が選ぶ40作品です。参考になれば幸いです。
 
タイトルから作品サイトに飛べます。気になる作品があれば是非。

 

 

王道なろう系ファンタジー

 異世界転生、冒険、バトル、ヒロインとの恋愛…などなど、まずは王道なろう系ファンタジーの名作の紹介です。初めてなろう小説を読むという方にオススメ。

 

人狼への転生、魔王の副官

1,397,936文字 / 完結済


  • 転生物と軍記物のバランスが絶妙な悪役転生モノ
  • 作者さんが書籍版の巻末コメントで「悪役転生にしたのは、基本的にやりたい放題できるからだ」と述べていたが、まさにその通りの内容。
  • 一口に悪役転生といっても特に悪いことをするわけでもないです。全体的な印象としては、経済を活性化させるべく奮闘する話という感じ。まあ戦争やったり商売やったり色々してます。この雑多感はなろうっぽくて結構好きでした。
  • そしてこの作品、登場人物の関係性が本当に良くて、特に主人公の「部下から慕われている苦労性の上司」感が最高です。よくあるハーレムみたいな胸焼けしてしまいそうな関係性ではなく、ただただ温かい関係性みたいな。

ダメだ、誰かが働いているとみんなで作業してしまう。人狼の、そしてゴモヴィロア門下生の悲しい習性だ。

  • ここが本当に良いです。この優しさ溢れる世界。
  • 全編どこをとっても安定して面白く、文章も読みやすく、適度に爽快感もある。登場人物も皆魅力的で、サブキャラクターの描き方がすごい上手い、上質な異世界ファンタジー作品です。

 

 

終天の異世界と拳撃の騎士

2,194,489文字 / 連載中


  • 剣と魔法の異世界を、拳一つで駆け抜ける。超王道の異世界バトル・ファンタジー。
  • 物語の導入はこんな感じ。(あらすじから抜粋)

 長年打ち込んできた空手に挫折しかけ、無気力な日々を過ごす高校生の少年・有海流護。ある初夏の晩、あれこれ思い悩む流護は、疎遠気味になっていた幼なじみの少女を夏祭りに誘おうと思い立つ。そうして携帯電話のメールを送り終えた彼が顔を上げると、周囲の景色が見覚えのない草原へと変化していた――。

  •  見ての通りプロローグの展開自体はスタンダード。
    • (実はかなりの伏線が張ってあったりするのですが…)
  • それで3章前半までのストーリー展開も正直テンプレの域を出ないというのもあり、こういうファンタジーを結構読んでる人は退屈に感じてしまうかもなのですが、3章後半3章後半のリューゴVSディノのバトルが本当に良くて。対決に至るまでに丁寧に二人のバックボーンを積み上げて、どちらにも感情移入させて、まるで主人公VS裏主人公かのような様相を呈してきて、プライドを、意思を、ぶつけ合う、絶対に負けられない男と男の喧嘩が、最高に良いんです。
    • もうここからは章が進むごとにどんどん面白くなっていきます。特に1-6章までのメインキャラクターを集めてバトルロワイヤルをさせる7章の天轟闘宴編の読み応えは抜群。
  • ファンタジー世界で拳一つで戦うってどうやってんだ?となりがちですが、それは作中でしっかり説明されます。説得力のある俺tueeeモノって結構貴重だったり。
  • 一応この作品は俺tueeeっぽい成分が含まれているのですが、主人公の造形が本当に上手いので、特に嫌悪感とかは無い思います。周囲の不自然な主人公アゲも無いし、普通に負けたりもする。自分の強さに自覚があるし、それで驕ったりもしない。なんというか普通で等身大な、感情移入するには最適の完璧な主人公なんです。特に恋愛面に鈍感じゃないってのは大変良い。自分に向けられる好意はちゃんと自覚するし、普通にいきなりすぱっと告白しちゃったりします。
  • ヒロインの配置も本当に良くて、主人公の心の中でただ一人のメインヒロインが決まっているというのは読んでて安心感があります。ヒロインもサブヒロインも本当に良い娘ばっかりなんですけど無限に語ってしまうのでここでは割愛…。
  • 他にも『家族愛』の描き方の素晴らしさや、巧妙に組まれた異世界そのものの謎、突然の現代へ帰還展開だったりと、魅力たっぷりの傑作だと思っています。
  • 現在は後章書き溜めのため連載休止されていますが、正直前章だけでもラノベ約20冊分のボリュームがあり、物語としてもキリの良いところで終わっているので、未完状態が気になる人も大丈夫かと思います。

 

 

蜘蛛ですが、なにか?

1,345,502文字 / 連載中


これは蜘蛛の魔物になってしまった主人公が、なんやかんやサバイバルして生きていく物語である。

  • 物語の序盤はだいたいあらすじ通り。割とゲーム的な世界観でステータスやスキル要素などもあり、ダンジョン風味な洞窟で蜘蛛として少しずつ強くなっていく感じが楽しい。
    • ただこういう感じの話を読み慣れている人はちょっと目が滑るかもしれません。序盤は何というか普通の作品なので。正直、5話毎に1回くらいずつ挟まれるサイドストーリー(同じ世界に飛ばされたクラスメートの話。彼らは人間として転生してます)をちゃんと読んでれば話は理解できるので、蜘蛛として成り上がっていく過程は読み飛ばしても大丈夫ではあります。
  • この物語が本当に面白くなるのは中盤から。成り上がり続けた主人公は洞窟の主をも倒してしまうのですが、ここで『世界の管理者らしき人物』からの連絡が入る。ここからが本番。作品の雰囲気がガラッと変わる。このあたりから蜘蛛さんサイドとクラスメイト達の2つの物語が交錯していき、どんどん盛り上がっていきます。
  • この段々と物語の全体像を明らかにしていく構成には舌を巻かざるを得ない。特に主人公の正体を巡る二転三転は非常に巧く、予想外の伏線回収に鳥肌が立った。
    • 散りばめられた伏線、叙述トリック、ミスリードに次ぐミスリード。物語としての面白さは保証します。キャラもまた濃い面子ばかりで楽しい。個人的には鬼鬼コンビあたりが結構好きです。
  • 本当に中盤以降は読み終え時が見つからず、まさに蜘蛛の糸に囚われた状態になってしまうので、時間があるときに一気に読むのがオススメです。

 

 

田中のアトリエ ~年齢イコール彼女いない歴の錬金術師~

2,003,809文字 / 連載中(本編完結済み)


年齢イコール彼女いない歴のブサイクなアラフォーが異世界ファンタジーで俺TUEEEします。

  • なろうにおける「キャラクター小説」の金字塔。(だと私は思っている)
  • ストーリーはあくまでキャラクターを描くための触媒として使われていると感じた。それほどまでに全ての登場人物のキャラが立っていた。主人公は勿論、個人的なお気に入りは人外ロリ3人娘。
  • 話の展開は典型的な俺tueeeモノ。いきなりドラゴン倒すわ、そんでお嬢様に惚れられるわと、何番煎じか分からないテンプレなストーリー。でも面白い。続きが気になりどんどん読み進めてしまう。何故か。主人公がアラフォーのおっさんだから。
  • 行動は常に低姿勢で紳士的、それでいて内心ではセクハラ全開のおっさんが主人公なのだ。
    • ただ、この内心のセクハラ描写はギャグ風味なものの割ときついネタもたまに挟んでくるので変態キャラが受け付けない人はダメかも。読者の殆どが口をそろえて「とても万人にはおすすめできない、でも自分は好き」と言ってることから色々察してください。
    • まあ素面のときの主人公は普通に良識ある大人なので...。行動自体は常に紳士的なんですよね、だからこそセクシーな女性を目の前にした時とのギャップが生まれるというか。
  • そしてこの作品の魅力は何と言っても一癖二癖ある多彩なヒロインたち。メインヒロインっぽい3人を軽く紹介してみますと、まずぼっち錬金術師のロリエルフ先生、そして承認欲求モンスターな最強ドラゴン幼女、他人の心が読めてしまう病み気味褐色幼女、とまあ全員見事にロリなんですけどもここが作品の肝だったりする。
  • 人外幼女に懐かれるアラフォーのおっさん、めっちゃ良くないですか。……いやまあそれはともかく、とにかくこの作品、ヒロインが多い割には全くハーレム作品特有の気怠さが無いんですね。基本コメディ調というのもあるのですが、主人公の人となりとか、ヒロインとの年の差が上手い具合にそれを助長しているといいますか。なんというか『微笑ましいハーレム作品』みたいな感じ。
  • 文章もライトで読みやすく、頭空っぽで楽しめる「これぞなろう小説!」という傑作だと思います。ついつい読み返しちゃう中毒性も。

 

 

 

この世界がゲームだと俺だけが知っている

1,437,861文字 / 連載中


バグ満載のため、ある意味人気のVRゲーム『New Communicate Online』(通称『猫耳猫オフライン』)。
その熱狂的なファンである相良操麻は、不思議な道具の力でゲーム世界に飛ばされてしまう。
突然の事態に驚く操麻だが、そこは勝手知ったるゲームの世界。
あらゆるバグを使いこなし、ゲームの仕様を逆手に取る彼は、いつしか『奇剣使いソーマ』と呼ばれていた。

  • なろうにおけるゲーム内転生系ファンタジーの代表作だと思います。あらすじからしてもう滅茶苦茶に面白そうですが、実際相当に面白い。
  • この作品の魅力は何かと問われたら、まず思い浮かぶのが『伏線回収の鮮やかさ』だと思う。これは言及しすぎるとネタバレになってしまうので少々ぼかしながら説明してみると、世界観についての情報が明らかになっていくにつれ、小さい伏線が次々に回収されていき、それと並行して新たな伏線が至る所に何気なく自然に散りばめられていく。そして最後の最後にドカーンと大きい伏線が纏めて回収されて「あーっ!あれとあれとあれはそう繋がっていたのかーっ!!!」となる感じ。この種の爽快感に関してはこの作品の右に出るものは無いと思います。2章終盤までのストーリー構成は本当に凄い。
  • またMMO経験者なら「あるある!」と言いたくなってしまうような小ネタだったり、「ねーよ!…いや、あるかも...?」と言ってしまいそうな妙にリアルで面白可笑しいバグ要素などから、作者さんのゲームへの造詣の深さや愛情も窺えます。
  • コメディ要素が普通に面白い、というのもある。個性豊かなキャラクター達によるテンポ良い会話劇や、とんでも設定なゲーム内イベントによる一波乱だったりと読んでて飽きることが無いです。大体9割はエンタメに特化してる感じ。
  • そしてヒロインが可愛い。イーナ・リンゴ・ミツキの初期3人ヒロインが個人的に好きです。
    • まあそんなこともあって3章以降のサブヒロインが3人追加されてからの大所帯ハーレム路線は個人的にう~んって感じでした。ストーリーは変わらず面白かったのですが……。
  • とまあこのような感じで『常に読者の予想の斜め上をいく』唯一無二の名作だと思っています。なろうを読んだことない知人に作品を薦めるときは大体これと転スラを薦めてます。
    • 長期間更新が無い状態ですが、作者さんの活動報告(2018年2月)曰く「最終部分もほぼ完成」してるとのことなので気長に待ちましょう。

 

 

勇者イサギの魔王譚

1,386,219文字 / 完結済


「これからも、俺についてきてくれないか」
 ――共に歩んだ愛する少女へと告白した瞬間、少年は未来へと飛ばされた。彼を喚んだのは魔族の姫。彼が討ち取った魔王の末裔だった。

  • 気弱なオタク、勝気なヤンキー、冷静なイケメン、そして再召喚された勇者。それぞれ全く違う性格の4人をメインに据えた、複数主人公の魔王譚。
  • 魔王譚といっても特に悪いことをするわけでも無く、皆がそれぞれ自分の目的のために行動するという感じ。少女を守るため、少女と再会するため、そして少女を救うために。彼らは最愛の人のために己を貫き通す。このぶれない行動原理が最高に格好良い。やっぱりこういう一途な愛情というものは良いもので、12章中盤で一人の主人公が放ったこの台詞はこの作品の魅力を如実に表している。

「不完全な存在として作られた僕たちは、そのいびつな形を埋める片割れをいつか見つけ出すことができる。ノエル、人に生まれた君は、愛を知るべきだ。なによりもそれが、尊いものだ」
<12-7『デモン』より>

  • 先述した通り、この作品の主人公たちはとにかく我が強い。自らの中に決して譲れないものを持っているので、分かり合うことができず仲間割れすることはしばしば。序盤以降はほぼ4人揃うことは無く、基本的に4つのストーリーが並行して語られていく感じになる。そしてその4つの文脈が収束していく最終章が本当に凄い。卓越したワードセンスに熱すぎる演出。エピローグも完璧で広げた風呂敷はきっちり畳まれている。
  • 序盤はなんだこいつ……と思ったキャラもいましたが、しっかりと人間性が掘り下げられていくうちに気づけば全ての主人公に感情移入してました。それぞれの主人公が必ず手痛い失敗・敗北を経験しているのが良いと思う。そこから這い上がる姿こそが何よりも格好いいと思うから。

 

 

転生!異世界より愛をこめて

477,348文字 / 完結済


  • ヒロインとのすっちゃかめっちゃかな異世界二人旅を描く物語
  • 途中からはダブルヒロイン体制になるのだけど、彼女らのキャラクター造詣が本当に素晴らしくて、もう可愛すぎて萌え禿げます。なんというか、飾らない自然な可愛さの描き方が本当に上手い。
    • ヘラヘラしてるけど決めるとこは決める主人公だったり、常時ハイテンションな喋る魔剣だったり、とにかくキャラに味があって愛着が湧きます。
  • そして全体的に荒削りではあるが、テンプレ無視で破天荒なストーリーが強い
    • 文章は割と口語的で、パロネタも結構多いのでそういうのが受け付けない人はダメかも。
  • この作品、序盤は結構コメディな雰囲気なんですが途中からはシリアスも入ってくる。中盤からは本当に主人公に厳しくなってきて、精神的に追い込まれた彼は自暴自棄になってしまったりする訳で、そんな時にいつも憎まれ口を叩いていたヒロインちゃんが献身的に主人公を支えるシーンがもうまた本当に…。
    • とあるキャラクターの境遇については感想欄でも賛否両論ありましたが、私はその『容赦ない救いの無さ』で、この作品を好きになった。ハピエンだけが作品の全てじゃない、と私は思います。

 

 

 

詰みかけ転生領主の改革

677,180文字 / 完結済


  • 貴族のもとに転生したはいいものの、目の前に広がるのは破滅寸前にまで追い込まれた詰みかけ領地。そんな状況を現代知識を総動員して何とか復興させていく話。経済やら商売の話なども割かし本格的で、なろうファンタジーとは思えないほどの読み応えがあります。
  • この作品の主人公は2歳から改革を始めていきます。レビューや感想欄などで「幼すぎて違和感」みたいな言及は結構されていて、実際読んでいて変な感じはするんですけど、すぐ成長しちゃうので特に気にならなくなると思います。
    • 約70万文字で2→16歳までの流れを描いていることを考えると、作中の時間の流れは結構早い感じ。ストーリーもテンポ良く進むので読みやすいです。
  • こういう系の話って「主人公SUGEEEE」みたいな展開になりがちなんですが、この作品はそういうのはあまりない(序盤は若干その傾向があるかも)。主人公の周りの人たちもちゃんと優秀な感じに描かれていて、主人公のワンマンプレイで改革していくのではなく、皆で持ちつ持たれつ何とかしていこうみたいな雰囲気なのがとても良いな~と思います。色々な人物にスポットがあたる感じが好きです。
  • そしてこの作品は『主人公とヒロインが結ばれるまでの14年間の過程を描いた物語』でもあって、これが本当に良かった。物語中に散りばめられた主人公とヒロインの描写によって、歳を重ねる毎に段々と変化していく関係性が手に取るように分かるのが良いです。特にプロポーズ前の伏線回収は本当に素晴らしい。
    • 最終話も綺麗に締まるので、是非一気に読んでみてほしい作品です。

 

 

転生したらスライムだった件

2,091,226文字 / 完結済


突然路上で通り魔に刺されて死んでしまった、37歳のナイスガイ。意識が戻って自分の身体を確かめたら、スライムになっていた!
え?…え?何でスライムなんだよ!!!などと言いながらも、日々を楽しくスライムライフ。出来る事も増えて、下僕も増えて。ゆくゆくは魔王でも目指しちゃおうかな?
そんな、どこかずれた天然主人公の異世界スライムライフです。

  • 小説家になろうにおける『成り上がり』系小説の金字塔。
  • ざっくりストーリーを説明すると、最弱のスライムが最強の能力を使って成長して、配下を作り、国を建て、魔王となり、そして……みたいなお話。
  • 個人的に思うこの作品の凄いところが、冷静に俯瞰して見たら思いっきり俺tueee主人公sugee的な話なんですけど、物語を読んでいる時は全然そういう風には感じないところ。とにかく物語の構成やキャラの動かし方が上手く、なにもかもが主人公の都合の良い方向に向かうんだけど、それを違和感なく自然に読ませてくる説得力がある。
    • あとはシンプルに主人公がスライムなのが良いです。まず字面にインパクトがあるし、キャラクター性も強い。下の下から這い上がるストーリーも熱いし、男性性があまり感じられないのでハーレムな雰囲気にも厭らしさが無い。この辺は上手く作ってあるなあと思います。
  • 世界観の広げ方も上手い。個人的なお気に入りは序盤の国がどんどん発展していくところ。読んでいて本当に気持ち良いです。魔王界に参入するときのワクワク感も筆舌に尽くしがたいものがある。
  • 何と言いますか、万人受けする標準的な面白さを備えた作品だと思います。文章はかなりライトで、キャラクターも割とチープな感じではありますが、どこか引き込まれるものがある。初めてなろうを読む人には是非おすすめの作品。
  • コミック版もかなり評価が高くオススメです。何気にコミック版の売上はなろうでトップだったりするので、そろそろアニメ化に期待してもいいかも?

 

 

ラピスの心臓

997,739文字 / 連載中


  • 限りなく純度が高い俺tueee作品。何のごまかしもなく、ただただ主人公は強く義理堅く、様々な問題を解決していくし、出会った女性は彼に惹かれていく。そんななろう系テンプレが徹底的に硬派に綴られることで、ある種の昇華を遂げている。これほどまでに俺tueeeを綺麗に描けていることが凄い。
  • この作品はとにかくキャラクターを一人一人真摯に描いている。そして私達は彼らに深く感情移入してしまい、ヒロイン達の淡い恋心に、仲間たちの熱い友情に、胸を熱くせざるを得なくなる。それぞれのキャラクターが皆心の中に自分の正義を持っているのが良いです。
  • 主人公は12年間ずっと人里離れた土地で師匠と共に修行を続け、最強の戦闘力を持つことになる。そして人の世に出て、まだ見ぬ世界を冒険していく。知的好奇心の赴くままに世界を旅したかった彼であったが、何の因果か国軍に入ることになってしまい、様々なものに雁字搦めになっていく。そこに彼は何を見るのか。
    • この主人公が本当に良くて、普段は冷静で何事も達観している感じなのですが、たまに子供っぽいところを見せてきたりする。ちやほやされることを好まないところがクールで好きだし、仲間を本気で守ろうとする時の熱い感情も好き。とにかく好感が持てるキャラです。
  • ヒロインもみんな個性的かつ魅力的で、サブキャラ達もこれまた良いキャラしてます。私のお気に入りキャラはジェダ、アイセ、ア・シャラです。好きすぎる。

作者さんは物語作りがすごく巧みだと思います。人が「面白い」と感じられる要素というか、読んでいて誰もが本能的に快感を感じられる何かを心得てる人なんだな、と。

<ラピスの心臓 - レビュー一覧>

  • 実はこの作品、2年3カ月の間更新が無かったりしたんですが、更新再開した翌々日くらいには日刊ランキング2位あたりまで上がっていたのが凄かったです。多くの人が続きを待っていたんだなあ……と改めて思ったりしました。

 

 

絶対に働きたくないダンジョンマスターが惰眠をむさぼるまで

992,510文字 / 連載中


  • より良い睡眠を求めて個性豊かな女の子達とダンジョンを経営するお話。
  • 正当派な作風ながら予想もつかないストーリーが良くて、とにかく的確に読者のツボを押さえてくる展開が見事。なろう受けする要素を上手く物語に落とし込み、俺tueee描写もくどすぎない程度に抑えて、限りなく万人受けするように気を遣って書かれている感じがあります。このへんは本当に上手いと思いました。
  • 主人公の造形も結構好きで基本的に「25時間眠って過ごしたい」が信念のろくでなしみたいな奴なのですが、割と自分に自信がある感じでダンジョンマスターの風格も時折見せてくる。「より良い睡眠を求めて」と行動基準が一貫してるのも分かりやすくて良い。
  • 一応悪役転生系のお話なので、基本的に人間である冒険者をやっつける話になるのですが、そのへんの倫理観やら云々は上手く描いていると感じました。ごく自然に、かつあまり嫌悪感を抱かないように配慮されて描かれています。
  • この作品で秀逸だと思ったのがヒロインの描き方。割とたくさん女の子が登場するんですけれども、それぞれに明確な役割を振っているのが見事でした。作者さんの中で主人公と恋愛関係で絡ませるのはこのキャラだけという線引きが為されているのが感じられ、安心して読めたみたいなのはある。
    • 他の女の子たちも軒並み主人公に好意を寄せているのは明らかなのですが、それぞれの関係が例えば師弟関係であったり、雇い主と従業員のような関係であることが上手く作用していて、チープなハーレム作品特有の気怠さのようなものが一切ない。この主人公とヒロイン達の間にある『親愛感情』のようなものがとても良い。
  • 全体的に高水準にまとまった良作だと思います。おすすめです。

 

 

その無限の先へ

2,291,597文字 / 連載中


前世の記憶を抱えたまま転生した先で待っていたのは、ゲーム的なシステムを持ちながらも現実的で過酷な日常だった。現代知識も意味を持たず、転生者という立場も有り触れている。
日本の記憶も全て幻だったのではないかと諦めたその時、ある街の噂話を耳にした。そこは、ありとあらゆる願いが叶う街。そんな胡散臭い噂話に最後の望みを賭け、少年は迷宮都市へと向かう……。

  •  そんな転生者がありふれた異世界で、個性豊かにも程がある仲間たちと『無限回廊』の果てを目指す物語。
    • とにかく舞台設定やら世界観の構築力が凄い。SFライクな感じで近未来感ある世界観が魅力的で、こんなところに住んでみたいな~となる。日常描写も妙に生活感があるので没入度が高いです。日常パートも結構多くて、そこでしっかりキャラクターの掘り下げもされているのが見事。

『冒険者は娯楽を提供するアイドルであり、迷宮探索はエンターテイメントである!』

    • 基本こういうノリの作品です。大体コメディな雰囲気。
  • ただバトルは滅茶苦茶に熱い。本家レビューでもバトル要素が絶賛されているのが殆ど。毎回ギリギリの戦いで魅せてくれるのは勿論、拳と拳で互いの意思のぶつけ合うみたいな感じが最高に熱い。
  • 転生前の不自然に欠落した記憶とか、詳細不明の謎スキルなど、続きが気になる要素も多くワクワクします。ストーリー展開も奇を衒わずに王道路線なモノが多く、安定した面白さがある。
    • 割となろう系の異世界ファンタジーをメタってるところとかもあるので、色んな作品に触れてから読むとさらに楽しめるかも。

 

 

無職転生 - 異世界行ったら本気だす -

2,835,125文字 / 完結済


34歳職歴無し住所不定無職童貞のニートは、ある日家を追い出され、人生を後悔している間にトラックに轢かれて死んでしまう。目覚めた時、彼は赤ん坊になっていた。どうやら異世界に転生したらしい。
彼は誓う、今度こそ本気だして後悔しない人生を送ると。

  • なろう総合ランキング1位の作品。納得の面白さ。
  • 主人公の生涯を軸として、彼に関わる人々の物語が枝葉のように紡がれていきます。主人公はある程度の魔法の才能を持っていますが、所謂俺tueee展開は殆ど無く、地に足ついた等身大な感じが良いです。主人公の”弱さ”もきちんと描かれていて、そしてその弱さをも受け入れ肯定していくストーリーが素晴らしいと思う。
    • 前世で完全に失敗してしまった人生を改心して1からやり直す、みたいな作品の金字塔だと思います。
  • 私が思うこの作品の魅力とはズバリ『家族』の描き方です。ヒロインと結婚して子供を作る作品って実は結構なろうでは珍しかったりするのですが、この作品はそれを最後まで描き切っている。特に娘が嫁に行く話はかなり感動してしまいました。

別に主人公が最強なわけでも、異世界を無双して渡り歩くでもなく、ただ自分の家族を守るために奮闘する1人の少年の、青年の、親父の、無職の物語。
<無職転生 - 異世界行ったら本気だす - - レビュー一覧>

    • ただ、この作品の主人公は様々な事情が重なり、結果として3人の女性と結婚します。彼女らに真摯に向き合い、悩みに悩みぬいて出した結論なので個人的にはそこまで忌避感は無かったのですが、如何せん妙にリアルで生活感がある作品なのでちょっと違和感を感じてしまう人はいるかもしれません。
  • あとは文章の安定感。これは本当に読みやすいと感じました。軽すぎず硬派すぎない絶妙な文体で、すーっと頭に入ってきてサクサク読めます。
  • 序盤の主人公は何というか変態性がかなり強調されていてドン引きするかもしれませんが、暫くしたらまともになるのでその辺りは何とか頑張って読み進めてほしい。なろう総合1位は伊達じゃないです。

 

 

マイナージャンル・ファンタジー

なろう系のテンプレ作品は飽きた!という方にオススメの作品たちです。全体的に硬派な雰囲気な作品が多いので、初めはちょっととっつきにくいかも?

 

Rotted-S

1,022,226文字 / 完結済


  • 壮大な世界観で描かれる転生無しの純正ファンタジー作品。
    • 卓越した文章力、作りこまれた舞台設定など、海外のジュブナイル小説を読んでいるような気持ちになる。『ハリー・ポッター』や『はてしない物語』などをワクワクしながら読んでいたあの頃の感覚を思い出す王道長編ファンタジー。

 人には見えないものが見える異能を持った少年アージェは、ある晩村で起きた事件を切っ掛けに、忌まわしい思い出が残る森へと踏み入ることになる。そこから始まる彼自身の変遷は、一人の美しい少女と、また大陸に残る神話と、深く繋がっていた。主人公の少年期から青年期までを描く成長記。そして大陸を彩る戦乱と、神代の清算を記す物語。

  •  お話の流れは大体あらすじ通り。一人の少女のために騎士になる少年。半人前な少年が様々な経験を通して世界を知り、時には大人に諭されながらも、一歩ずつ成長していく過程。とても綺麗な主人公の成長譚です
    • ただ、主人公の”成長”を描くという作品の都合上、やはり序盤のストーリーではどうしても上手くいかず、若干ストレスが溜まりがちかも。なろう特有のストレスフリーな展開に慣れてると、ちょっと読むのが辛いかもしれません。
  • そしてこの作品のもう1つの軸はボーイミーツガールな恋愛要素。一人の少年が一人の少女の騎士になり、そして二人が添い遂げるまでの話ですので、もちろん恋愛要素は結構ある。だいたいシリアス8割ラブラブ2割くらいな感じ。
    • ただまあ身分差や色々な事情があったりして、彼らは中々くっつきません。本当に長い間すれ違い続けるので、温かい目で見守ってやってください。後日談の幸福感を是非味わってほしい。
    • 2人がくっついて、共に過ごし、そして生涯を終えるまでの過程が少しずつ短編連作の形で綴られる後日談がもう最高なので...
  • とにかくなろう色が全くない異世界ファンタジーといった趣きの作品です。ストーリーには重みがあり、世界は主人公に優しくない。なろうテンプレな享楽的な作品には飽きた~って方にオススメの作品です。是非!

 

 

Unnamed Memory

1,517,364文字 / 連載中(本編完結済)


「貴方がその剣の持ち主で、私が魔女である限り、いつか貴方は本当に私を殺さなければならないかもしれませんよ」 
幼い頃、子供が残せないという呪いを受けたファルサスの王太子オスカーは、二十歳になった時、大陸最強と言われる魔女ティナーシャを訪ね、その解呪を願う。それを切っ掛けに彼女を守護者として連れ帰ったオスカーは、契約が切れるまでの一年間、ティナーシャの過去に関わる因縁に、そしてもっと大きな運命に巻き込まれて行くこととなる。

  •  王と魔女の出会いから始まる王道ファンタジー作品。先ほど紹介した『Rotted-S』と同じ作者さんの作品。世界観も同一で、そして同様に綺麗な筆致で描かれる重厚なストーリーが素晴らしい。こちらの作品も割と恋愛色強めです。
  • この作品の魅力はまず第一に主人公。一国の王が主人公です。成人済みで思慮も深く、真っ当に強くて格好良いという逆になろうでは珍しいタイプ。対してヒロインは数百年生きた冷静沈着な大陸最強の魔女……と思いきや割と危なっかしいお転婆娘だったりする。まあ~めちゃくちゃ可愛いです。
  • ストーリーはシリアス全開ですが、合間合間に挟まる主人公とヒロインの掛け合いがコミカルで楽しいので重苦しくて息が詰まるみたいなことは無いと思います。恋愛要素も本当に良く、個人的に異世界恋愛ジャンルで最高のものだと思ってます。
  • ハイファンタジーとして読んでも勿論面白い。壮大な世界観の構築力、張り巡らされた伏線、魅力的なキャラクター達。短編連作の形をとっていて、様々な切り口から語られる彼らの物語はただただ面白くて読み終え時を忘れてしまう。
  • 本編は100万文字程度で完結。現在サイドストーリーが連載中です。

 

 

ロスト=ストーリーは斯く綴れり

1,379,902文字 / 完結済


過去に多くの魔術士が諦め、現在では“一攫千金論文”と揶揄される研究に臨むアウロス。才能も愛想もないその少年の揺るぎなき信念は、それぞれに質の異なる闇を抱えた同僚達を巻き込み、やがて大学、そして国家にさえも多大な影響を及ぼす――――

  • 舞台は魔術大学。高速詠唱についての研究を巡る、舌戦飛び交う群像劇。主人公は研究職なので、物語の前半は組織内のごたごたが主に描かれます。半沢直樹みたいなストーリーといったら分かりやすいかもしれません。
  • とにかくこの作品の魅力は、それぞれ腹に一物ある底が見えないキャラクター達。

この大学にいる誰しもが魔物を抱いている。自分以外には決して懐かない魔物を。
---第2章 研究者の憂鬱 (2) より

  • 序盤の研究室の雰囲気はもう完全に冷え切っていて、誰も本音で話そうとせずに針を纏っています。主人公も大体そんな態度をとっています。そんな彼らが様々な出来事を通して、少しずつ心を開いていく過程が本当に良いです。仲良しとまではいかずとも、互いを尊重しあいながら研究を進めていく。そして大学編のラストシーン。全ての文脈が綺麗に着地した最高の締めでした。感無量の一言。
    • 後半からはまた雰囲気がガラッと変わるのですが、前半を楽しめた人なら後半も同じように楽しめると思います。
  • ただ序盤は雰囲気が暗かったり、ちょくちょく小難しい設定の説明が入ったりなど、人によっては読むのが辛くなるかもしれません。ただそこを抜けると間違いなく面白いです。第4章あたりからが本領発揮といった感じ。
  • 魅力的なキャラクター達、隙が無いストーリー構成。シリアス一辺倒な作品かと思いきや、明るく喧しいキャラクターが緩和剤となっていたりと、丁度良いバランスを保っている良作です。オススメ。
    • これはちょっとした蛇足なのですが、理系の研究職に興味がある人がこの作品を読むと、ちょっとした勇気をもらえたりするかもしれません。

 

 

ユニエの森の物語

235,156文字 / 完結済


ユニエの森にひっそりとたたずむ教会。そこには戦争孤児である6人の少年少女たちが住んでいた。最年長であるシャーロを中心に、慎ましくも幸せに暮らしていたが、雪どけが近づいたある日の夜、リーザはシャーロに「この家を出て行ってもらう」と告げられた。

  • ファンタジーっぽい世界観だけれども、実際には魔法やモンスターは殆ど出てこない。この作品で主に描かれるのは、人と人とのヒューマンドラマ
  • 主要キーワードは家族、お仕事、恋愛の3つ。以下で軽く補足説明を。
    • *家族:戦争孤児となり行き場を失って集まった少年少女。彼らに血縁は無いのだけど、生き抜くために皆で団結して、まるで家族のように絆を深めていきます。互いが互いを大事に思う、思わずほっこりしてしまうような温かい関係性がこの作品の魅力の1つでしょう。
    • *お仕事:物語の序盤では農業や酪農を営んで細々と森で暮らしていますが、最年長のシャーロは下の子供たちを学校に行かせるために商売を始めます。ワインを作ったり、便利グッズを作ったり。ここの見どころはシャーロの商才。とにかく聡明で頭が切れるので読んでて非常に気持ちが良いです。
    • *恋愛:最年長組でみんなのまとめ役、所謂お父さんお母さんポジションの二人の恋愛要素が主に描かれる。もうとにかく甘酸っぱくて、幸せ~~~って感じの恋愛です。ふとした瞬間の好意の自覚や、長い間離れ離れにさせたりなど、描写や展開も本当にお上手。
  • だいたいこんな感じのお話なのですが、この作品はとにかくキャラクターの掘り下げが深いので、それぞれの要素の魅力がぐんと上がっているんです。6人のうち誰か一人でも欠けたらストーリーは成立しないし、その点群像劇としての完成度はかなり高いと思います。
  • そしてもう一つ推したい点が『ストーリーの起伏』について。この作品、実は結構山あり谷ありなストーリーだったりする。言ってしまえば子供たちだけで大人の世界に挑む話でもあるので、かなり危うい橋も渡るし、ピンチに陥ったりもする。こういう程よい緊張感がある作品、結構貴重だと思います。
  • ヒューマンドラマをメインにした群像劇を読みたい方、是非ご一読してみては。

 

 

死神を食べた少女

335,278文字 / 完結済


  • 痩せこけた村娘が死神となった話。

死神を食べたらどうなるんだろう。
私には良く分からない。分かるのはたった一つ。
お腹がすいた。
だから、こいつらの首を持って偉い人に届けよう。
きっと美味しい物が食べられる。
さぁ、準備が出来たら出発だ。

  •  "死神を食べた少女"シェラが弱小軍に入って、撤退戦・末期戦の中で生きていく話。硬派な戦記モノのストーリーに対して、大鎌を担いで元気に無双する少女はファンタジーに描かれる。この二つの要素が組み合わさり物語は幻想性を帯びていく
  • 戦争に負け続け、絶望ひしめく弱小軍にポッと現れた最強の黒髪少女。シェラは軍の中でみるみるうちに台頭していく。この天下無双の戦闘力、溢れ出るカリスマ性たるや! 少女が無双する系作品の金字塔だと思う。
    • しかし少女たった一人で戦況を覆すことは不可能であり、ストーリーが進むごとにじわじわと戦況は悪くなっていく。この程よいストレスがよくある俺tueee作品とは一線を画します。絶望と爽快が入り混じった独特な雰囲気が好き。
  • また戦線を共にする兵士と彼女の関係性が心地良いものでして。兵士達は彼女を慕い、彼女は兵士達を大切に思う。孤軍奮闘する少女に心を震わせ、兵士達は雄叫びを上げ、負け戦と分かっていながらもそこに駆けていく。
  • 少女が戦争に参加する理由が、徹頭徹尾「ごはんが食べたいから」というのも良かった。食事シーンもほのぼのしていて、このシリアスになりすぎない感じはなろうっぽくて良いな~と思いました。
  • 文字数も文庫本2冊くらいなので、気軽に読める一作だと思います。また似た雰囲気(世界観も同一っぽい)の作者さんの別作品がいくつかあるので、そちらもオススメです。

 

 

おんらいん こみゅにけーしょん

447,220文字 / 連載中(本編完結済)


  • 『VRモノ+TS+ロリ+恋愛』というとんでもない組み合わせ、かつ引き籠りで自殺未遂の主人公という爆弾のような設定を抱えながら、それらを真っ向から描き切った良作。
    • TS+恋愛というジャンルなのでまあ精神的BL要素があります。苦手な方はご注意を。
  • 自分がロリ少女になってしまったショック、重くのしかかる過去のトラウマなど辛い現実から目を背けるため、主人公はVRMMOという仮想世界に逃避する。そこで温かい仲間達と触れ合い勇気をもらいながら、彼(彼女?)は現実と向き合っていく…だいたいこんなお話。(以下主人公は彼女と記載)
  • ここで強く推していきたいのが、この『現実と向き合っていく』というワード。この作品はVR世界に逃避してちやほやされて承認欲求を満たして優しい世界で平和に暮らす…というだけの話ではない。仮想世界に逃避したところで、現実世界で彼女はただ家に引きこもっているだけで何も変わっちゃいない。そこを変えていく。仮想世界で勇気を得た彼女が現実世界で、ぎこちなくても、震えながらでも、その一歩を踏み出す、という話なのだ。
    • 個人的には現実パートこそがこの作品の真価だと思います。特に両親の話は良かったです。目頭が熱くなる。こういう親子愛みたいなのにめっぽう弱い。
  • ただVRパートはもう主人公にダダ甘の優しい世界という感じで、まあ見た目も美少女ですしちやほやされる訳で、受け身の主人公がただただ享受するだけみたいな構図が割と顕著です。この辺はちょっと好き嫌いが分かれるかもしれません。
  • 心理描写はかなり上手いと感じた。周りの人物に対する感情の変化は勿論、TSモノとしての性への戸惑いの描写なども良かった。特に好きなのがここの恐れを抱いているシーン。

男であったことを無意識で過去の事だと捉えてしまっているのだ。少しずつ心の中まで女の子へと変わって行く、それに順応していく事が怖くて怖くて仕方ない。

  •  あとは挿絵がある。これが結構強い。作者さん自ら描いているらしいです。すごい。銀髪ロリ可愛いです。うむ。
  • おまけのアフターストーリーを連載してる途中で残念ながらエタっちゃいましたが、本編は40万文字程度できっちり完結してますので大丈夫です。

 

 

この異世界で一番美しいものを探す旅

1,060,243文字 / 完結済


  • 少し捻くれた少年が異世界で初めて仲間を、居場所を得る話。
  • 3人の少女と共に4人パーティを組み、世界で一番美しいものを探す旅に出るというなろうでは割と珍しいタイプの異世界ファンタジー。内容はシリアス寄りかつダークな雰囲気。まあ正直タイトル詐欺みたいなとこはあると思います。決して綺麗な作品ではない。そこが魅力でもあるのですが......。
  • この作品に関してはなろう本家に投稿したレビューがあるので、そのまま引用しちゃいます。

「一回くらい、全力で生きてみたいと思ったんだ」

この作品の魅力は、主人公とその仲間達にあると感じた。
現世での様々な出来事でひねくれてしまった彼は、偽善を良しとせず、事あるごとに露悪的に振舞おうとする。しかし彼が人の痛みが分かる、心根の優しい人物であるということを仲間達は皆理解している。
懐疑的で、気の利いたことも言えず、常に相手のことばかり考えて自分の居場所がなくなることに強く不安を覚えてしまう彼が、異世界で初めて仲間を得て、旅をして、成長していく物語。
レビュータイトルは物語の終盤で彼が放った言葉である。
異世界転生モノならではの、最高にアガる台詞だと私は思うのだ。

  •  正直伝えたいことはこのレビューにほとんど詰め込んであるのであとは補足をちょちょいと。
  • まず主人公について。序盤の彼はもうめっちゃスレてます。割と不良系。ナチュラルに性〇隷とか買おうとするヤツです。ただ根っこは打たれ弱いし、情に熱いヤツでもある。中盤終盤あたりから本領を発揮してきて、本当に質感のある良い主人公になります。
  • 次にヒロイン3人について。この作品の特徴として、結構初期のあたりでヒロインが全員出揃ってその後ラストまで4人パーティ固定で物語が進行していくんですけども、これが本当に良くてですね。キャラを本当に大事にしているのが感じられるといいますか。章を追うごとにメインキャラクターの過去を明らかにし、しっかりとキャラを掘り下げ、どんどんと面白くさせていく構成も見事。
  • そして彼女たちと主人公の関係性がまた良くて。決して仲良しこよしのグループじゃないんです。むしろかなり歪んでいる。ハーレム状態というよりかは、三股してる状態というほうが正しい感じ。全く享楽性のないハーレム作品、みたいな。ただヒロイン同士の仲が悪いわけじゃなくて、むしろかなり良好。この辺りの関係性のエモさは読んでみないと分からないと思う。上手く伝えれる気がしない。
  • 言ってしまえば4人パーティ皆が主人公みたいな作品です。共に支え合い、時には衝突し、皆で成長していく関係性。良作です。

 

 

リライト・ライト・ラスト・トライ

915,870文字 / 完結済


神獣の守護人は、異世界からやって来る。
守護人の護衛官を務めることになった青年トウイ。そして選ばれた少女・椎名。
彼女の願いは、故郷への帰還ではなく、世界の安寧でもなかった。
──「望むものは、たったひとつ」

正しい道を見つけて、掴んでみせる、必ず。
何を代償にしても。
-----第2章『はじまりの時』

  • 『神獣の守護人』として見知らぬ異世界に召喚されてしまった少女・椎名がその現実に耐え切れず一人ふさぎ込むなか、彼女に唯一手を差し伸べたのは護衛官の青年・トウイだった。そんな彼を死の運命から救い出すために何度も、何度も、何度もループを繰り返した少女のラスト・トライを描く異世界ファンタジー。
    • メインで描かれるのは最後の周回のみなので、一般的なループものとはまた違った趣きがあったりします。
  • この作品の特徴は『ループ能力』の負の要素を惜しむことなく前面に押し出しているところにあります。そしてそこが他の作品にはあまり無い魅力でもある。
    • まずストーリーはループを繰り返して最適解を探していく、という展開では無い。未来は無数に分岐し、彼が死ぬ時の状況は毎回異なる。ループの記憶もまあ役に立たないこともないという程の価値しかない。
    • そして自分だけ過去をやり直すというズルをしている自覚からくる罪悪感。ただ一人を助けるためだけにループを行い、助けることが出来たであろう他人を見殺しにしなくてはならないという葛藤も少女を蝕んでいく。
    • 心を殺し、ただただ淡々と繰り返しているつもりでも、回を重ねるごとに少しずつ積み重なっていく狂気。そして、何度ループを繰り返したとしても『最初に私を助けてくれたあの時の青年』を救うことはできないという事実。
  • 人は次々と死んでいきますし、神様気取りの神獣の煽り言葉に苛々したりと主人公の心だけでなく読者の心まで折ってくるような作品ですが、ストーリーの面白さは物凄く、ページを捲る手は止まらなかった。
  • まあこのような全体的にシリアスで暗めな雰囲気の作品ですが、一応ボーイミーツガールな作品というのもありまして、ずーっと友達以上恋人未満みたいな感じの少し甘い程度の恋愛模様もしっかり描かれています。そういう恋愛要素が好きな方も是非読んでみてほしいな~と思います。

 

 

ノームの終わりなき洞穴

754,523文字 / 完結済


地の精霊が作ったと噂される世界屈指の巨大洞窟、ノームズ・エンドレス・ダンジョン。その最奥を見た者は未だおらず、今なお洞窟は複雑に延び続けている。命知らずの冒険者が最後に挑むラストダンジョンとしても有名なこの洞窟。実情はたった一人の錬金術士と意地汚い精霊によって、やむにやまれぬ理由から作られていた。

  • 2000歳の精霊と錬金術士と魔眼少女が織り成す硬派なダンジョンもの。或いは、いとも簡単に命が消費されていく世界で起こった悲劇とも。
  • 1~16章はとにかく地中を掘っていく話。道中湧き出したスライムやノームを使役しつつ、宝石を求めて、奥底へ、深淵へ、どこまでもどこまでも進んでいく。洞窟内の生態系や、スライムが突然変異で進化していったりと、独特の世界観を築いていて読んでいて飽きることがない。
    • そしてその掘った洞窟に住み着いた魔物、掘り残しの宝石などに釣られて冒険者が集まってきて、その洞窟はダンジョンとして有名になっていく……みたいなお話です。主人公グループと冒険者グループの話が交互に展開されていきます。
  • そして17章~20章は地下深くで発見された難攻不落のダンジョンに挑むお話。ここからが本番です。これまでに積み上げてきたものを切り崩しながら前へ進んでいく感じに何とも言えない良さがある。特に最終章が最高で、展開だけ見たら『悲劇』そのものなんですけど、それでも最後の決意のシーンは本当に良くて。ネタバレになるので詳しく書けないのがもどかしい......。
  • この作品を読んでて思ったのは、とにかく世界観の広げ方が上手いということ。1~16章はまあ掘るだけなので同じような展開が続くのですが、定期的に新しい要素が追加されていくので中弛みを感じない。それでいてメインキャラは3人で固定されてるのがまた良い。
  • この作品は『ノームの終わりなき道程』の前日譚になってます。『終わりなき洞窟』で様々なモノを失った主人公が『終わりなき道程』で幸の光を探す旅に出る、という流れです。なお『道程』は現在連載中。

そして少女は宝石の丘を発った。
いつ来るとも知れない人を想って。
待つのではなく、向かっていった。
精霊達と共に、自らの足で帰還の道を辿り始める。
-----【ラストダンジョン:宝石の丘】『闇色乙女』

 

 

棺の魔王 (コフィン・ディファイラー)

798,205文字 / 連載中


灰色の雲に覆われた草原の国、コフィン。
天空を舞う竜をあがめる王国に、ある日『神』と呼ばれる巨大な生き物をともなった軍勢が侵攻して来た。
不可思議な武器を持つ女剣士、異形を体内に飼う勇者、無言の兵士達。
人外の力で国を滅ぼさんとする者達に、生き残ったコフィンの英雄達が立ち向かう。かつて魔王と呼ばれた男の魔術をめぐる、戦記ファンタジー。

  • コフィンという国の趨勢を描く、複数主人公の骨太ダークファンタジー
  • ファンタジーもののテンプレスキルをほぼ全て手にした悪の勇者に立ち向かう、努力とプライドのみで研鑽を重ねた普通の人間たちの物語。或いは、敗北者たちの物語ともいえるかもしれない。
  • この作品の魅力は何と言ってもカッコいい登場人物たち。もうとにかく格好良いキャラが多すぎる。脇役も、ヒロインも、悪役も、敗北者すらもカッコいい。誇りを捨てず、信念を曲げず、時には屈しそうになっても克己する姿が本当に。読んでいて熱いものが込み上げてくる。特に痺れたのがこの台詞。

<しかし敗者こそ弱者こそが 貪欲に勝利を 力を渇望する者也>

  • 個人的に今ままで読んだなろう「戦記」ジャンルの中では1位2位を争うレベルの面白さでした。ダークな世界観、見事すぎるストーリー構成。バトルシーンの迫力も凄く、思わず引き込まれるものがある。恋愛要素はあまり無い感じです。ヒロインも姫様も共に戦おうみたいな感じの話なので。

 

 

用務員さんは勇者じゃありませんので

1,459,114文字 / 連載中


  • チート能力も何も無い用務員さんが、弱肉強食の理不尽な異世界を命がけでサバイバルする物語。次々と降ってかかる苦難を相棒の雪豹と共になんとかかんとか乗り越えていく、みたいな感じです。
  • まず初めに、この作品は「人間VS人間」の物語であり、全員が幸せになるご都合展開も、主人公補正も、胸のすくような爽快感も殆どありません。そこに在るのはどうしようもなく儚い、切ない、ちっぽけな救いの描写のみ。
  • 章ごとにストーリーが区切られていて、ひとつひとつの章が物語として完成されています。それぞれのストーリーの雰囲気は総じて明るいものではなく、バツイチの女奴隷を買う話、故郷を捨てた売春婦の女の話など、暗い題材が多いのだけども、話自体はかなり面白い。
    • ただ前述した通りこの作品、どの話も完全なハッピーエンドでは終わりません。後味が悪いみたいな感じはあまり無いのですが、何というか色々と考えさせられる、そんな話が多いです。こういうところがこの作品の魅力なのかなあと思ったり。
  • あとは主人公が良いです。精神面も身体面も強く、とにかくハードボイルドで格好良い。普段の冷徹な一面に痺れ、時折見せる人間味に微笑まされる感じ。書籍版のイラストでは屈強なソビエド軍人みたいに描かれてます。強そう。
    • そしてメインヒロインが雪豹。「かわいさ」と「かっこよさ」を兼ね備えたハイブリッドヒロインです。安易に擬人化に走らないところがまた硬派で好感が持てる。主人公との関係も「相棒」って感じで良い。本当に良いコンビだと思う。
  • なろう系のテンプレは苦手だな、飽きたなと感じてる人達に是非読んでほしい作品です。きっと序盤から引き込まれると思います。

 

 

ファンタジーにおける名探偵の必要性

851,760文字 / 完結済


ミステリマニアである冴えない探偵は死んだ。しかし、その記憶を持ったまま、剣と魔法、そしてモンスターとダンジョン、王道のファンタジーの世界に平民ヴァンとして転生する。ヴァンはずば抜けた魔術の才能、そして前の世界からの知識や感覚で、平民でありながら成り上がっていく。だが、そのヴァンの前で、不可解な殺人事件が起きる。

  • 異世界転生×本格推理小説。
  • 全6章から成るこの作品は、全ての章が出題編・解決編に分かれている。出題編で前提条件・状況証拠・関係者の証言を示した後、読者に挑戦状が突きつけられる。君は真実を暴けるかと。私はあまり推理小説に詳しくないのですが、きちんと推理小説としてのルール(ノックスの十戒)は守っているとのことです。

「さて、賢明なる読者諸君には既にこの事件の真相がお分かりだとは思うが、ここで身の程知らずにも読者諸君に挑戦をしてみたい」

  • 私はひとつも解けなかったのですが、その分解答編は「あーーっ!そういうことか!」の連続でした。こういう気持ちよさを味わえるのは推理要素の強みだなーと思う。ファンタジーな要素が上手くトリックとして使われています。
  • 作品としての完成度もとても高く、特にプロットの作りこみが凄い。多分第1章を読み終えたらこれがとんでもない作品だということが分かると思うので、とりあえず気になったら読んでみてほしい。私も最初はジャンルを見て「う~ん」となっていたのですが、読み始めたら止まらなかったので。

 

 

伝奇

ゲーム的ファンタジー世界観ではなく、実在するの伝説・伝承(妖怪・神話など)に基づいた幻想的、空想的な作品たち。SF要素が含まれる作品が多いかも。伝奇の厳密な定義がいまいち分かっていないのですが、まあ多分だいたいそんな感じだと思います。

 

鬼人幻燈抄

2,122,368文字 / 完結済


  • 惨劇の果てに鬼人に成り果てた主人公が、江戸から平成へ長い時を旅する物語。

生き方を曲げられない1人の鬼が、人と出会い、別れ。余分なものを時に斬り捨て、時に背負いながら、激動する人の世を生きていく。
<鬼人幻燈抄 - レビュー一覧より>

  • 不幸なすれ違いの果てに積もり積もった感情が最悪な形で爆発してしまい、主人公の妹が主人公と相思相愛の女性を惨殺して逃亡する。この惨劇が物語の起点。最愛の人を殺した実妹への憎悪に囚われながら、それでも妹への情は完全には捨てきれず。何故あのようなことが起こったのか。自分はどうすればいいのか。長い旅の中で自分と向き合っていくお話。
    • 世界観は和風ファンタジー。舞台は現世、作中の出来事も史実に基づいている。しかし主人公は鬼となるし、怪異は身近に存在している、そんな世界の物語。いわゆる和風怪異譚。
  • 老いることが無い鬼人となった主人公は、170年間を過ごす過程で色々な人と出会い、そして別れを繰り返す。そして忘れたころにひょんなところで昔馴染みに再会したりする。お前は全然変わんねえなあ、俺はこんなに変わっちまったよ。みたいな。
    • こういう『別離と再会』がまた良い。ほんとに忘れたころに再登場するので何というか伏線回収みたいな気持ち良さがある。
  • 具体的なストーリーの紹介としてここで『捨て子の娘を拾って育てる話』を挙げたい。作中では色々なエピソードが綴られている訳ですが、その中でも一際強いのがこのお話。慣れない子育てに苦戦しつつ、それでもすくすく娘は育ち、反抗期を経て、共に店の手伝いをするようになり、そしていつしか成長が主人公に追いついてしまい………。
    • この話はもう本当に感情がグワ~~~~ってなります。そして読んだ後はじんわりと感傷に浸ってしまう……そんなお話です。
  • 他にも魅力は数えきれないほどある。流麗な文体。巧緻な情景描写。心に染み入る言葉選び。一つ一つの章として完成されたストーリー。強くて弱い等身大な主人公。一本芯が通った魅力溢れるキャラクター達。代々受け継がれていく意思。長い時を経ても繋がっていく想い。
  • 序盤こそかなりシリアスですが、基本的に人情噺がメインなのでほのぼの系のストーリーも結構あります。そういうのが好きな方も是非。

 

 

INVISIBLE -インヴィジブル-

1,758,262文字 / 完結済


  • 人類進化の終着点と科学技術をテーマにした、現代神話風セカイ系SF群像劇。
  • 本家あらすじはこんな感じ。

 神秘のベールを脱いだ神々と人々が互いに手を携え、宇宙存亡をかけ創世者INVISIBLEに立ち向かう。神話と伝承、神と魔の存在を科学で暴き出す、終末阻止系SF小説。
人類、文明、科学、生命への讃歌。
人類進化論とテクノロジーが人々にもたらす功罪をテーマに、地球の行く末を描く群像劇です。

  • なんだか物々しい謳い文句、かつカオスすぎて何がなんだか…という感じですが、ストーリー自体は多種多様な神様たちが世界を救うために色々がんばるというシンプルなもの。
  • このあらすじを読んで面白そうと思った人は絶対ハマると思います。哲学・神学・理学の知識に裏打ちされたストーリーは非常に奥深く、恐ろしいほどの魅力を醸します。きちんと整合性のとれた膨大な設定群も好きな人はとことんハマるはず。

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位階10までの神様の設定一覧(こういうオリ設定群、大好き…)
  • 神々が所有する能力やツールが、現代科学で説明できてしまう点も他の作品には無い魅力だと思う。理系のSF好きには垂涎モノだと思われる。実際に書いてる人が理系畑の医学博士さんなので、そのあたりの説得力もある。
  • ただ、この作品のすごいところは設定だけではなくて。群像劇としてのドラマがめちゃくちゃ面白いのだ。各陣営の様々な人間、神々、天使達が様々なドラマを描いていく。どんどん規模が大きくなっていく感じがワクワクします。
  • 登場人物はかなり多いですが、それぞれが強烈な個性を持っていて混雑することはないと思います。特に格好いい大人がたくさん登場するのが良いです。渋いオヤジが活躍する作品に外れは無い。
  • 全180万文字、風呂敷も綺麗に畳みきっています。SFに興味ある方は是非。

数学や哲学、宇宙の難しい理論は、完全に理解できなくても大丈夫。ノリと勢いでそれらを越えると、良質で本格的なSFが楽しめます。
<INVISIBLE -インヴィジブル- - レビュー一覧>

 

 

武士は食わねど高楊枝

1,178,525文字 / 連載中


  • 魔法技術を持つ亜人の出現によって、ファンタジー化を遂げた地球の見聞録。

 プロポーズを予定していた日、若者は化け物じみた力を持つ少年に殺された。そして転生を経て、この世界が生前好んでいたファンタジー的世界であることを知る。

  • 破天荒なストーリーと魅力的な設定群が凄い。八百万の神々、クトゥルフ神話、フリーメイソン、カバラ数秘術など色々なテーマをオリジナリティ溢れる解釈で物語に引用していたり、章ごとに変わる主人公など、とにかく個性的な作品。
  • 鬼に攫われたり、無貌の神に弄ばれたり、過度な虐めを受け精神崩壊したり、ヒロインとずぶずぶの共依存関係に陥ったりと、アクロバティックなストーリー展開にぐいぐい惹きこまれます。舞台や人間関係もどんどん変わっていく。
    • ただ、章が進むごとに登場人物たちがどんどんと陰惨なことになっていくので、鬱展開に耐性が無い人は読むのがしんどいかもしれないです。
  • しかし個人的にはこの鬱展開こそにこの作品の魅力があるとも思っている。どん底のどん底で長い間燻っていたからこそ、それを乗り越えた際のカタルシスは大きくなるわけで。そういう飴と鞭はしっかりしている作品です。

確かに人を選ぶ要素はある。だがハマったが最後、この世界から逃れることはできない。待っているのが例え、最悪の結末だと理解していても…
<
武士は食わねど高楊枝 - レビュー一覧>

  • 登場人物、世界観の作りこみはなろう作品の中でもトップレベルだと思います。文章力も高水準で、作中の雰囲気は割と高尚。硬すぎるわけでも、崩れすぎているわけでもない丁度良い感じ。
  • 第3章『我が身を滅ぼせ、英雄よ』編がとにかく凄まじく、個人的に2017年でなろうを読んでて一番興奮したのはここでした。これぞ鬱展開の真髄って感じの作品。普通の小説に飽きた方、刺激を求める方は是非。

 

 

鬼神純情伝!

192,856文字 / 完結済


平凡な生活を送っていた少年は、世を揺るがす大騒動に巻き込まれる。はてさてこの少年は、調伏されし鬼を従え、救国の英雄と相成るか。悪鬼羅刹より転生し、式神となったこの鬼は、護国の鬼神と相成るか。強力無比な恋敵を前にして、桜花咲く純情可憐な恋心の行方は何処。
奇想天外な和風ファンタジー、ここに開幕で御座候――

  • ひょんなことから世にも恐ろしき千年悪鬼が純和風美少女に転生してしまう。そんな彼女が冷静沈着で豪胆(に見えるように演技している)主人公と『3つの災厄』に立ち向かうお話。
  • まず述べるべきはこの文体。まるで歴史モノのような硬派な雰囲気でありながら流れるように読める洗練された文章。時代錯誤なメインキャラ達の口調も上手く作品と調和している。この徹底して描かれる『和の世界観』が本当に魅力的。
  • 平成の現代を舞台に、またファンタジーという『和』とは相容れ無さそうな要素を含みながらも、この作品の雰囲気は徹頭徹尾『和』なのである。それでいてライトノベル的な可愛らしいヒロインをきちんと据えることで固くなりすぎないところも見事。『奇想天外な和風ファンタジー』の看板に偽り無しです。
  • そしてこのヒロインが本当に可愛い。くそでっかい鬼から和風美少女に転生しちゃう訳ですが、もうギャップ萌えの権化みたいなキャラでして。さらにチョロインというあざとさ全開のキャラ造形なのだけれども、ストーリーがしっかりしているので主人公に惹かれていく過程にもきちんと説得力がありまして、もう本当に強いです。さらに中盤からは千年妖狐も加わってダブルヒロイン体制になってまたニヤニヤできる展開に云々…...。
  • 全20万文字程度(文庫本1冊程度)なので気軽に読めると思います。是非~。

 

 

宿屋主人乃気苦労日記。

628,606文字 / 完結済


個性あふれる従業員たちの、重なり合う事情や思惑。和洋の魔術が入り乱れ、剣戟と拳が鎬を削る戦い。そんなさまざまな問題に立ち向かう主人は、そのたびに頭と体を酷使し、なおも前に進んでいく……だが一番の問題は、客の少なさである。 
――それは不思議な宿屋主人の、日々徒然なる気苦労日記。

  • 和洋折衷ファンタジー。様々な闇を抱えた訳アリな従業員達が、生きにくい世の中で、共に支え合い、時には傷付け合いながら、それでも懸命に前を向こうと、生きていこうと頑張る物語。
    • 罪悪感や復讐心を起点とするストーリー展開と、個性豊かな従業員達のどこか面白可笑しい交流。シリアスとコメディがしっかり両立していてバランスが取れている。コメディ部分もちゃんと楽しいのが強いな~と思う。
  • 『何のために生きるのか』というのがおそらくテーマの1つであり、登場人物たちはこの問いに悩み、苦しみ、そして答えを出す。彼らの答えはそれぞれ似てはいるが違っていて、その答えを出すまでの過程の心理描写は見事の一言。この作品のキャラクター達には確かな芯があり、だからこそ彼らの出した結論にはどこか心に響くものがある。
  • 自分が嫌いで、大嫌いで、罪悪感に押しつぶされそうになってしまう彼、彼女らは寄り添い合う。人が誰かを救うなんて驕りだよ、みたいなスタンスをとりながら。でも傍から見ればそれは救済以外の何物でも無くて

「誰も傷つけたくない、とは言うがね、それはどうやっても上手くいきっこないのだよ姫さん。人間、誰しも誰かに迷惑をかけ、傷つけあって生きている。だからと言って動くことを止めれば、周りの人々はそれを気遣きづかって、やはり心が傷つく」

「誰かとつながりを持ったら誰だって責任を持つのさ。それは逃れる必要のない責任だがね。誰だって持っているのだから、それぞれがそれぞれに少しずつ働きかけて、互いに併あわせ持てば良い」
-----十七頁目『押し潰されそうな、自己の罪。(自己不信)』

  • 端書きとして各従業員にifの個別ENDが用意されていたりするのですが、どれも良い感じにメリーバッドエンドで個人的にとても良かったです。本編はきちんとハッピーエンドなのでご安心を。

 

 

明治蒸気幻想パンク・ノスタルヂア

816,811文字 / 完結済


――明治中期、国内最悪の治安を誇る島に住まう主人公・井澄は、異能の術師や傍流の剣士がはばを利かせる中で争いを仕事場に生きている。そして暇さえあれば職場の上司たる少女・八千草に求愛し、すげなく流され、けれどめげずに生きている。……偽史の明治を舞台とした、色恋と刃傷と狂気の沙汰。

  • ファンタジーやらスチームパンクやら色々混ざった架空の明治を舞台にした群像劇、そして骨太ヒューマンドラマ。
    • 先ほど紹介した『宿屋』と同じ作者さんで、こちらも同じく人間模様が素晴らしいです。雰囲気とかノリも大体似たような感じ。
  • なかなか紹介するのが難しい作品なのですが、ざっくり説明してみると『思惑渦巻く派閥争いの中に生きるキャラクター達の話』みたいになる。そしてそのキャラクター達がみんな結構重い過去を持ってたりしてるのですが、それをストーリーに重ねて演出してエンタメ性を持たせる手法がとんでもなく上手いです。なんというかシンプルに読んでいて面白い。
  • 個人的に推していきたいポイントは主人公とヒロインとの関係性。最初は主人公が一途にヒロインに求愛するけど中々振り向いてもらえず……みたいな構図なのですが、物語が進むにつれて隠された記憶があーだこーだして、彼らの関係性は二転三転していきます。このあたりの構造は本当に上手いこと作られていて、先ほどの構図が逆転して、主人公を意識し始めてしまう途轍もなく可愛いヒロインちゃんも見れたりする。クールなボクっ子ロリ上司とかいう属性が強すぎます。
  • そして残りのメインキャラクターに三船兄妹という双子ペアがいるのですが、彼らもまたエモい関係性だったりする。近すぎるが故に、互いを想い合う故にすれ違ってしまったり、片方が兄妹愛を越える愛を抱いてしまったりと色々と不安定で危うい感じが良かった。とにかくバックボーンの積み上げ方が丁寧なので、がっつり感情移入してしまいます。
  • あとは文章が巧いです。『宿屋』の方は若干荒削りな感じがあったのですが、こちらはきちっと洗練されています。作品の雰囲気に合わせたエキゾチックな文体だったり、言葉遊びを交えたルビ振りなど、色々と工夫されていて面白かった。
  • 全80万文字。ヒロインが過去の記憶を取り戻すとこあたりからストーリーが加速していきグッと面白くなります。是非。

 

 

幻想再帰のアリュージョニスト

3,217,346文字 / 連載中


「個人的な好みで言わせてもらえば――悩むくらいなら両方の要素をぶち込んでしまえばいい。収拾がつかないとか辻褄とかバランスとかは気にしないで、滅茶苦茶なくらいが一番面白いと、俺は思う」
ーーー2章15『そんなことよりゲームをしよう』より

  • 個人的になろうで一番好きな作品。そして一番紹介するのが難しい作品でもある。私ではこの作品を説明できそうにないので、とりあえずこういうところが魅力的!みたいな感じで紹介していきたいと思います。
  • まず1つに人工神話企画『ゆらぎの神話』をベースとした設定群、近未来的なサイバーパンク、呪術的なオカルト要素などが絡み合って形成された、独特としか言いようのない禍々しい雰囲気。この重厚な世界観が本当に物凄く、圧倒される。専用wikiもあるくらいで、なんならそれを読むだけでも面白いです。
  • 1・2章の主人公は、そんな世界に転生してしまった一人の男シナモリ・アキラ。言葉も通じない異世界を暴力と感情制御アプリによって何とか生き抜きます。そんな彼の前に二人の姉妹魔女が現れ、そこから物語が始まっていくのですが、この主人公と魔女姉妹の関係性が本当に良くて。重くて脆くて綺麗で面倒でドロドロでコミカルで……いや全然上手く言い表せないんですけど、あの感じがめっちゃ好きです。
  • 前回の記事ではこの作品を『破天荒で荒唐無稽で滅茶苦茶に面白い物語』とざっくり紹介していたのですが本当にこの通りで、なんでもありなカオス空間なんだけど、きちんとあらゆる要素に整合性がとれていて説得力があり、そしてあらゆる文脈はエンターテイメントに昇華され、とにかく読んでいてめちゃくちゃに楽しい。
  • あと、これは人によって好みが分かれそうではありますが、文章がとても綺麗。上記の要素を的確に美しく描写する筆力は本当に凄いなあと感じます。
  • だいたいこんな感じだと思います。正直この作品の魅力の1割も伝えれてる気がしないので、少しでも気になった方は『アリュージョニスト』で検索すれば色んな分かりやすい紹介記事が出てくると思うので是非そちらを。

 

 

現代モノ

現代のストーリーをメインにした作品たち。個人的に疎いジャンルなので3作品しかないですが、どれも良い作品です。何かオススメの現代モノあったら教えてください。

 

銀河の生きもの係

275,421文字 / 完結済


ある日突然、塚原史緒の前に現れた転校生・高遠洸。顔良し、頭良し、スポーツ万能。でも、宇宙からの侵略者(自称)。ほとんど事件の起きない、けれどどこか不思議で不条理な日常の話。

  •  SF風味な王道ボーイミーツガール。女性視点。普通の少女と自称宇宙人という価値観の違いすぎる二人が織り成す、良作ラブコメ。
    • まあSF風味といってもメインキャラの少年が宇宙人っていう設定以外にSF要素は殆ど無いのですが...。
  • ストーリーはTHE・少女漫画って感じの王道。テンプレという意味では無く、誰でも楽しめるという意味での王道。小→中→高とダレることなくテンポ良く進んでいくので心地良い。
  • 割と登場人物は多いですが、あくまで焦点は二人に当てられている。その価値観が違いすぎる二人が、ぎゃーぎゃーと喧嘩しながらも少しずつ距離を縮めていく過程が、少しずつ変遷していく関係性がとても良いです。
  • 初期の高遠くんは「だってさ、塚原さんは、僕の、召使みたいなもんだから」みたいなことを真顔で言うヤツなのですが、そんな彼が変わっていく過程もまた良いんです。プライドが高くて頑固な彼が史緒に好かれたいがために変わっていく過程がね本当に…。
  • 割とやれやれ系な史緒さんが気づかぬうちに高遠くんに絆されていくのもまた良いです。ふとした瞬間の好意の自覚とか、もう萌え転げてしまいますね。
  • なろうの恋愛モノは癖のある作品が多いイメージですが、こういう直球ドストレートな恋愛作品もたまには如何でしょうか。

 

 

きみは小さな居候

366,703文字 / 連載中


久し振りに訪れた父方の田舎。そこで、座敷わらしを目撃してしまった主人公。ちょっと世話を焼いたら、見た目、小学校低学年女児な座敷わらしに妙に懐かれてしまい……。

  • 大学生の男と座敷わらし少女の、ほのぼの日常モノ
    • なのだけども、この作品はただの日常作品とは一味違う。実際に読んでみると分かるのだけど、作中のヒューマンドラマが存外しっかりしている、というかとても良いのである。思わず心が温かくなるような人情話こそがこの作品の真価だと思います。登場人物がもうみんな良い人すぎて本当に読み心地が良い。癒される。
  • 本家レビューでちゃと氏がこの作品を『幼少期に当たり前に感じていた当たり前と不思議の壁をふわふわと行き来するファンタジー』と例えていらっしゃるのですが、これが本当にこの作品の雰囲気を上手く捉えた一文で、ふと幼少期の原風景を思い起こさせるような何かが、この作品にはあると思うのです。もし主題歌を決めるなら『やさしさに包まれたなら』とかが合いそう。
  • 勿論彼ら二人のゆる~い日常描写も中々に良くて、特に心に残ったのがこのシーン。二人でのんびり散歩してる時の一コマ。

それまで真理は、東京の街なかに自然なんかないと思っていた。
街路樹の根本に咲く、タンポポの花に目を留めることなど、今までなかったのだ。
わらしが「春が来たね」と笑って、真理は初めて春を実感したのだ。
< わらしとカッパと夏の空 1話 >

  • こういう何気ない気づき、みたいなことに焦点を当てるのが上手いなあ~と読んでいて何度も感じました。
  • 3章まで完結していて、今は4章を連載中。(2017/12/23)
  • 章毎に完結する構成(それぞれシーズン1、シーズン2みたいな感じ)なので、まずは1章だけでも気軽に読んでみてほしい一作です。

 

 

僕とぼっちな彼女達

341,913文字 / 完結済


みんな大好き、可愛いけどぼっちな女の子を次々落としていく王道ラブストーリー。

  • 正直あらすじ詐欺みたいなところはあります。
  • 実際の話の軸は、小学5年生の純心少年だった主人公がみたきちゃん係(知的障害の少女・谷串三滝を世話する係)になって、周囲の人間の『汚さ』を目の当たりにし、絶望し、だんだんと性格が拗れていって...というもの。
  • それから2年間彼はみたきちゃんと接して絆を深めていく訳ですが、差別偏見の目で見られる日々や、周囲の人間の汚さを目にすることにより荒んでしまい、次第に『ただ、純粋そのもの』であるみたきちゃんに惹かれていきます。そしていつしか彼はみたきちゃんに依存するようになり、彼女と「お医者さんごっこ」をするような関係性になってしまう。この辺の主人公の自己嫌悪の心理描写がかなりエグくて良い
  • 中学生編からは新しく色々なぼっちヒロインが登場します(中二病・引きこもり・円光少女・いじめられっこ)。他人を救うことで自己嫌悪を紛らわそうとした主人公は積極的に彼女らと関わり、ラブコメしたり、救ったり、救われたり、感謝されたり、軽蔑されたりする。まあ大体主人公が(精神的に)痛い目を見て終わる。そしてみたきちゃんに慰めてもらう。そしてみたきちゃんを便利な女扱いしている自分に自己嫌悪。以下ループ。
  • こうして文字に起こしてみるとクソどうしようもない主人公に見えますが、でも彼は、物語中において、ただただ必死に生きている。生きにくい世の中で必死に足掻いているこの主人公の台詞は、とにかく心に突き刺さる。リアルで、質感がある。
  • 正直ラブコメというよりは、これは『主人公の成長物語』なんだと思います。基本一人称で進みますし、なにより真に迫った心理描写が素晴らしく、感情移入せずにはいられない。最終章の彼の懺悔には思わず目頭が熱くなりました。
  • ヒロインズは皆ぼっちなので、まあ色々と問題を抱えている訳なのですが、一応最終的には皆救われます。主人公に寄り掛かって救われるという訳ではなく、主人公に触発されて自分で自分を救っているのが、また良いです。
  • 長くなってしまったので総括すると、良くも悪くも『人間』というものを真摯に描いた作品であるといった感じでしょうか。地雷要素が無さそうなら是非読んでみてほしい一作です。

 

 

どろどろダーク

個人的に大好きなジャンル。どれも思いっきり感情を揺さぶってくる良作です。依存癖、独占欲、承認欲求、ヤンデレ、なんでもどんとこい!って方にオススメ。

 

異世界で魔王になる方法

332,583文字 / 完結済


物語は、『現実』と『異世界』でクロスする。
気が弱くて言いたいことも言えない少女七子。
彼女は図書館で不思議な本を見つける。
この世界から逃げ出したいなら、お手伝いしてあげる――

  • 内向的で臆病な少女がファンタジー世界で様々な経験を経て少しずつ自分の殻を破っていくお話。『マイナスからスタート地点に立つまでの話』とも言えるかと思う。
    • ストーリーラインが複雑で、かつ根幹部分がネタバレ要素になってしまうので中々上手く説明できないのですが、大体そんな感じの話。
  • 作品の軸は大まかに2つあり、まず1つは少女七子がファンタジー世界に魔王として迷い込む話。極端に自己肯定感の低い彼女が異世界で魔王として過ごす内にどう変わっていくのか、というのがテーマ。
    • 異世界において彼女は殆ど活躍をしない。というか魔王らしいことは殆どしない。肩書きだけ。彼女はただ逃げ、迷い、悩む。でもそんな彼女の心理描写をしっかり補完してくれるからこそ、"彼女の葛藤"が作品の魅力に昇華している、みたいなところはある。実際彼女に感情移入しちゃう人は結構いると思います。かくいう私もその一人。

「言葉が通じても、言葉が通じない」「空気は読めるけれど、その空気に上手く迎合できない」「言えないの。怖いんです。私の言葉で、誰かが、嫌な思いをするのが。誰かに不快に思われるのが怖い。どうしようもなく怖いの」

    • このあたりの台詞が刺さる人はハマると思う。
  • もう1つの軸は現世界での話。突然消失した少女七子の謎を暴こうとする過程で、彼女が内向的で自罰的になった理由が徐々に明らかになっていきます。この辺のミステリー要素の完成度もまた魅力の1つ。
  • ただストーリーはかなりキツイ展開も多々あるので、読む際は覚悟が必要かもしれません。いじめの描写等もかなりリアルで生々しく悲惨です。大体作品の8割くらいは暗い話だったりする。
    • でも、だからこそ、ラストシーンの素晴らしさが際立つ。特に彼女の決意の描写は本当に見事で、読後感は信じられない程に良い。
  • 自分よりも他人を慮ってしまいがちな、そんな人に読んでみてほしい一作です。

 

 

ウロボロス・レコード ~円環のオーブニル~

1,409,203文字 / 連載中


「これは永遠に恋をする物語」

  • 不老不死を追い求めるあまり狂気に染まっていく錬金術師が主人公の、異世界悪役ファンタジー。
  • ストーリーの大筋は彼の目的のために必要になる仲間を集めていくというもの。
    • ここでいう仲間とは『人体改造を施し、洗脳して出来た人形』のことを指します。一応自我は残ってはいるものの命令には絶対服従の”仲間達”を侍らせて、彼は異世界で暗躍していく。欲しいものを手に入れるために、極悪非道の限りを尽くしながら。
  • そんなどこからどうみても悪役な主人公に立ちはだかるのは、金で世界を動かす大貴族であったり正義を掲げた勇者達だったりする。そして彼は外道な方法で彼らを屈服させていく。この何の躊躇もなく正義を潰していく様は、むしろ爽快感さえ感じてしまう程。この背徳感と愉悦感。これぞ悪役小説の真髄。

たった一人の男の妄念が、数多の人生を変え、歪め、壊していく。それでもトゥリウスの歩みは止まらない。全ては、彼が焦がれる永遠へと辿り着く為に。

    • この作品の紹介文の煽り文句がまた最高です。
  • で、こんな倫理観とか善悪とかどうでもよくなるほどぶっ壊れてる主人公なんですが、実はかなり合理的な人間で、普通に喜怒哀楽も持っている。ただ優先順位がおかしいだけ。不老不死のみを一心不乱に求める、ある意味芯の通ったキャラではあります。流石に感情移入はできませんが、見ていて面白い主人公だとは思います。あとすごいカリスマ性がある。つくづく珍しいタイプの主人公。
    • またほとんど悪意というものを持たず、ただただ自分のために行動するというのも、キャラ魅力を助長しているのかなあと思う。
  • 主人公に侍る仲間たちについても少し。初めての奴隷であるユニを除いて、彼らは一様に主人に忠誠を誓うべく洗脳されている訳ですが、それと同時にそれぞれ個性的な人体改造も施されていて、この仲間たちもまた皆魅力的なんです。
    • 主人公を妄信している者もいれば、洗脳されてなお嫌悪感を抱きづ付ける者もいたり。正義から悪側に堕ちるキャラなんかもいたりして、その過程の良さはもう筆舌に尽くしがたい。
  • 万人受けする作品とは思いませんが、好きな人はとことん好きになるだろう作品だと思います。2017/12/26日現在、約1年半更新が無い状態ですが、一応キリがいいところで止まっているので問題なく楽しめるかと思います。

 

 

氷の滅慕

1,459,907文字 / 連載中


 少女は血にまみれ、凶刃を振るい、命を搾取する。愛する人のために強さを求めた彼女は、人の域を越えた力を身につけ、精神の惨状へと踏み込んでしまう。

  • 死にかけの少女と美しい女魔族の出会いから物語は始まる。
  • 女魔族の血を得ることで少女は一命を取りとめ、その後数年間を共に過ごすことになる。次第に彼女らは惹かれ合ってゆくが、魔王の介入により二人は離れ離れになってしまう。最愛の人を奪われた少女は絶望し、泣き叫び、魔王への逆襲を誓う。少女は強くなるために戦地に赴き、魔族を食らい、食らい、食らい尽くして、そして狂愛に育まれた怪物が生まれる。
    • あらすじは大体こんな感じ。少女がだんだんと静かに狂っていく過程が良い感じに薄気味悪くて最高です。一見普通のように見えるけど実際には致命的に思考回路がおかしくなっている狂人の描き方が卓越している。特に好きなのがこのシーン。その強い思慕は攻性に転じる......。

「あぁ……白蓮、やっと会えたね」
還元されない愛情。抑圧された想念。――無意識領域下の強い思慕は攻性に転じる。

  • そして特筆すべきはこの『16人の魔王が各地に君臨している世界』という舞台設定。これが実に良い。少女が主人公の物語というよりかは、個性豊かな魔王たち+少女の群像モノという方がしっくりくるくらいに彼らは色々と活躍します。各魔王が本当に魅力的すぎて彼らが会話をするだけで面白いほど。またそれぞれがハチャメチャに強いのも最高です。街一つなら一人で気軽に滅ぼせるレベル。
    • そんなとんでもない魔王達に攫われた最愛の人を取り返すために少女は魔族をたくさん食べて人間をやめていくわけです。
  • ただ強くなるために、何もかもを捨ててしまった少女の物語です。現在第6章連載中。残酷描写・ガールズラブ描写が大丈夫な方ならぜひ読んでみてほしい一作。
  • 最後に自分が昔書いたレビューより少し引用。

自分でも制御できない程の愛で狂ってしまった少女。
最愛の人を奪われた少女は、絶望し、泣き叫び、そして復讐を誓った。

少女は力を得るために血を啜った。
肉を食むたびに心は病んだ。
命を摘むたびに人から外れていった。

これは、常識、倫理、道徳観を失い、愛欲のみが残ってしまった少女の物語。

 

 

インスタント・メサイア

775,927文字 / 完結済


  • 一度読んだら虜になる、麻薬のような作品。
  • 自分の大事な者を全て奪った魔族の下僕となり、彼女らを愛情と狂気で侵食していく男の物語。連れてこられた当初は皆彼をゴミのように扱うのですが、「人は好意を向けられる快楽から逃れられない」と巧みな会話術、身の振り方によって少しずつ彼女らの心の隙間に侵入していきます。
  • 主人公は基本的に道化を演じているので割と掴みどころがなく、心理描写なども結構入るのですが本当に心の底で思っていることは読み取れない。中盤以降は自らも狂気に染まっていき渾沌とした精神状態になってしまったりと、いわゆる信頼できない語り手に類される主人公だと思う。人格も複数あったりして、彼のこのミステリアスで底の知れない雰囲気も作品の魅力の1つだなと感じます。
  • 攻略対象ヒロインは大体5~6人ほど。序盤の一人だけを攻略してるうちはまだ平和なのですが、後半になってくるとそれはもう修羅場大量発生で最高です。腹の探り合い、女同士のガチ喧嘩など、読んでいて思わず息を呑んでしまうほどの緊迫感。

『貴方達みんなね、ズルい目をするようになったわ。どうやってお互いを出し抜こうか、考えてる感じ』
―――<60話『出発の日』より>

    • 主人公がいるときの可愛い少女達が織りなす気の抜けた日常描写と、主人公がいなくなった瞬間に始まる愛憎入り混じるサイコホラーな展開の落差にゾクゾクきます。
  • 現在第2シーズンが連載されており、3月には書籍版も出るとのことです。おめでたい!

 

 

黒の魔王

3,729,347文字 / 連載中


黒乃真央は悪い目つきを気にする男子高校生。彼女はいないがそれなりに友人にも恵まれ平和な高校生活を謳歌していた。しかしある日突然、何の前触れも無く黒乃は所属する文芸部の部室で謎の頭痛に襲われ気絶。次に目覚めた時には……。剣と魔法、モンスターの闊歩するオーソドックスな異世界召喚モノ!

  • 古き良き異世界ダークファンタジー………かと思いきや、蓋を開けてみたらヤンデレヒロイン達が暴れ回っていたでござる、みたいな感じの話。
  • 本筋のストーリーは結構テンプレ風味なので、異世界ファンタジーを読み慣れている方はちょっと退屈に感じるかも。WEB版は文章もかなり冗長な感じなので、バトル描写とかは読み飛ばしても問題無いと思います。ただヒロイン達が本性を現してきたあたりからはストーリーもグッと面白くなってくる。
  • 爆弾を抱えたヤンデレ少女たちの正妻戦争こそが『黒の魔王』の真価。ドロドロの修羅場。少しずつ狂っていく少女達。恋敵を蹴落とし最後に主人公を獲得するのは誰か。作者さんの「ヒロイン同士で殺し合う作品が書きたかった」という言葉にこの作品の全てが集約されている。主人公への愛によって道を踏み外していくヒロイン達は、ただただ魅力的に映る。
  • とにかく作者さんのヒロインに対する情熱が物凄いです。ちょっと長いですが活動報告でなされていたこの主張を読んでみてほしい。

そもそも、ラノベもなろう作品も、あんなにハーレム要素で溢れているのに、ガチの修羅場要素って少なすぎませんか? 需要がないんですか? そうですか。ヒロインは綺麗に描きたい。可愛くありたい。作者としては当然ですが、でも、読者としては、本当にそれを求めているんでしょうか。少なくとも、私はソレだけで不満だったから、黒の魔王があります

愛が足りない。どいつもこいつも、愛がまるで足りていない。すぐ惚れてもいい。チョロくてもいい。でも、一度好きになったのなら、愛を貫けよ。身を引くな。一歩も引くな。死に物狂いで食らいつけ。告白を聞き流されても諦めるなよ。面と向かってフラれても諦めるなよ。そんな簡単に恋敵(ライバル)を許すな、打ち解けるな。この人には勝てない、あの人には敵わない。もっと挑め。正々堂々挑め。奇襲、罠、謀略、策略、何でもいい。全身全霊、全力で挑め。みんな一緒でもいいよ。ふざけんな、そんなワケあるか。許せるはずがない。勝者は常に一人。だから求めろ。絶対に諦めるな。這いつくばって、泥を啜って、血反吐を吐いて。女の子にあるまじき、どんな無様を晒しても、どんなに醜い心を暴かれても。最後の最後まで、追いかけ続けろ。だってお前――ヒロインだろ!!
<第一次ヤンデレ大戦終結|菱影代理の活動報告>

    • 正直これを読んだ時、雷に打たれたような衝撃を覚えた。こんな情熱を持っている作者さんの描くヒロインに、魅力が無いわけが無いんですよね。
  • ただこの第一次ヤンデレ大戦が始まるまでに約200万文字あり、作品最大の山場である第三次ヤンデレ大戦までは350万文字もあるという事実。ここはもう頑張って読んでもらうしかないです。大戦がはじまってからは本当に面白いので...。

 

 

 以上になります。紹介文などは後々書き直すかもしれません。
 皆さんのオススメ作品など、コメントしてくれたら嬉しいです。