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泣けるサウンドノベル -『Narcissu』


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こんばんは。

Narcissu』1st,2ndを読み終えました。一息ついたので感想でも書いていこうと思います。


まず未プレイの方へ簡単な紹介を。
これは余命僅かな者たちが集う『ホスピス』を舞台にした所謂サウンドノベル作品。
描かれるのは死に場所を探す少女と少年の逃避行。ドラマチックで劇的な展開はなく、ただ淡々と死へと向き合う物語になっている。

このゲームは作者さんの公式ホームページで無料でダウンロードできるようになっている。steamでも配信されているのでアカウントを持っている人はそっちでプレイしても良いかもしれない。内容はどちらも同じです。全編通して4時間ちょいで終わるので、気軽に是非。

【公式HP】http://stage-nana.sakura.ne.jp/narcissu.htm

 

 


※以下ネタバレ注意


とにかく1stストーリーが良かった。
そこはかとなく漂う終末感と、ボーイ・ミーツ・ガールの甘酸っぱさが上手い具合にマッチしている。あてのない逃避行とか最高じゃないですか。

徹底して二人を描いているのも良かった。極限まで削られた設定が広がりを持たないことで、彼と彼女だけの世界を演出しきっていた。この2人だけで完結しているような閉じた関係が良いんだ。こういう『たったひとつの特別な関係』というものには強い幻想と憧れを抱いてしまうもので。

さて、物語のテーマである『死』について。
...を書こうと思ったのだが、色々思うところはあるのだけれどうまく言語化できないかった。ので私が感銘を受けたBIG-MON氏のレビューを少し紹介させてもらうことにする。

 未来のない二人が「死」というものに向き合い、プレイヤーにすら向き合わせる。
無意識に考えることを避けてきた「いつかは死ぬ」ということに対して、彼らの選択を見たことで無関心ではいられない。答えはない。

<http://steamcommunity.com/id/big-mon/recommended/264380/>

答えは無い。ゲームの中で彼らはとある選択をするが、決してそれを私たちに押し付けることはない。そして私たちは自分の選択について考えずにはいられないのだ。

とても良い作品でした。