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海外のベストレビューを翻訳する -『ソードアート・オンライン』(酷評注意)

各アニメの海外で最も支持されているレビューを翻訳する。
原文はコチラ。(MyAnimeListより)

※ 今回は酷評レビューとなっております。作品ファンの方はご注意を。


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Apr 6, 2014
25 of 25 episodes seen
Overall Rating: 4
2670 people found this review helpful


ここのレビュー欄に溢れ返る10点満点のスコアに疑問を抱いたので、この作品のためを思い、また良識ある人々に向けてより現実的なレビューを書く。

ソードアート・オンライン』は脚本とその品質において、多かれ少なかれ「ファンフィクション*1」に相当するものである。このレビューでは、なぜ私がこのような意見を持つのかを詳細に説明していく。

1) Story【4/10】
これは作品が抱えている最初の大きな問題である。初めから説明していこう。前半の章は14話のエピソードで構成されている。最初の2つのエピソードは正直にかなり良い出来であり、その後に続く展開もどことなく示唆されていた。MMOの世界に生きることになった主人公を紹介して、そして彼を待ち受けているのは魅力的な仲間との冒険や強力なボスモンスターとの戦闘だと思っていたのだが…この予想は裏切られた。

SAO 感想


実際にこれに続いたのは5つの完全に無関係なサイドキャラクターとのエピソードである。これは最初の2つのエピソードで感じたワクワク感を完全に台無しにするものであった。この非合理的な理由から、この章の残りのストーリーを説明するために第7話から話を再開しようと思う。…再開しようと思うのだが、この作品は続く2話も無駄にしていた。結局ストーリーの半分以上が、全体のプロットとは関係が無かった。

では残りのエピソードはどうなのであろうか。…残りの「プロット」エピソードは『deus ex machina*2』そのもので満たされていて、第1章のフィナーレでさえ、まったく意味をなしていなかった。これはファンタジーの世界ではなく恐ろしいビデオゲームの中であって、そのような奇跡など起こる道理は無い。SAOファンの大勢が絶賛している第1章の問題については以上で結論付けることとする。

これよりもひどいと言われる第2章について続けていく。ネタバレ無しで書いていくが、第2章は主人公を除いて殆ど異なる設定、異なるキャストで構成されている。この章においては「アニメの歴史上最も不必要なストーリーの賞」を受賞する必要があるだろう。この章のストーリーは、ほとんどがスーパーマリオと同等である。我らが主人公は城に囚われる姫を救う必要があり、この話も『deus ex machina』なフィナーレで幕を閉じ、さらにはincest*3なサブプロットも含まれている。最大限に譲歩して、ストーリーに関しては4/10点とする。

2) Art【8/10】
作画は素晴らしい。カラフルなキャラクター、ボスモンスター、背景。

3)Sound【8/10】
こちらも素晴らしく、文句の付けどころがない。

4)Characters【1/10】
この作品最大最悪の要素だ。それぞれメインキャラクターについて述べていく。

Kirito/Kazuto:この作品の主人公である彼は『Gary Stu*4』の典型である。彼には人格が存在せず、行動には何の理由もない。彼は驚くべき実力を持つプレイヤーであり、名探偵であり、ladies man*5であり、マスターハッカーである。彼は何でもできるのだ。そしてそんな能力が彼に与えられている理由も存在しない。登場する全ての女子は彼を好きになり、悪役は彼に嫉妬する。そして彼は一人でボスモンスターをさえ薙ぎ倒してしまうのだ。…頭を抱えたくなるだろう。

Asuna:この作品のメインヒロインであり、最も露骨であからさまな要素を備えたキャラクターである。初めのエピソードで彼女は自分一人で生きていける程の能力を持つプレイヤーとして紹介されていたが、再登場した後はただ Kirito に料理を作るだけでそれ以外に何もしないキャラクターになっていた。彼女は家事をするだけになり、他の重要なことは Kirito がこなすようになる。第2章に至っては彼女の活躍は皆無だった…本当に全く。また彼女にも個性は存在せず、教科書的なツンデレ台詞しか言葉を発することができないようだった。

Yui:諸悪の根源の一人。彼女は歩く『deus ex machina』そのものである。このキャラクターはいかなるゲーマーからも嫌われるはずである。彼女はチートそのものであり、物語に何も追加することはないのだから。

Suguha:Kiritoの妹。なぜ彼女がこの作品に存在したのか分からない。

悪役:この物語には二人の主要な悪役がいるが、どちらも酷いものであった。第一の悪役は全ての動機を忘れてしまうし、第二の悪役は邪悪すぎるあまり行動は支離滅裂になっていて、それは滑稽そのものであった。

他のキャラクター:女性キャラクターは全員が Kirito と付き合うことしか頭に無く、勿論個性は存在しない。また男性キャラクターは Kirito が全て役割を奪ってしまうので何もしない。彼らについて言えるのはそれだけである。

以上のキャラクターは全て痛々しく、見るに堪えない。

5)Enjoyment【3/10】
言わずもがな、私は楽しむことはできなかった。

6)Overall【4/10】
この作品にこれほどファンがいる理由が全くもって分からない。プロットは急でひどいもので、キャラクターは薄っぺら。恋愛要素はひどい女性蔑視に基づいており、ストーリーはゲーマーを侮辱するもので、結局この作品の魅力は殆ど理解できなかった。

(閑話):多くのハードコアゲーマーがこの作品を賞賛していることが理解できない。この作品は彼らを侮辱しているのだと、熱心なゲーマーとして私は主張せねばならない。ハッキングやチート行為をしていない限り、彼の行動に満足できる訳がない。

 

【MyAnimeList評価基準】
5点:標準的
4点:悪い
3点:とても悪い
2点:恐ろしい
1点:絶望的

 


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*1:2次創作レベルの出来ということを揶揄していると思われる

*2:デウス・エクス・マキナ:神様が出てきて万事解決、というご都合主義な物語手法

*3:近親相姦の意

*4:二次創作作品に登場する、有能かつ人望があるように描かれた、作者の投影キャラクター。

*5:女好きでモテる男みたいな意味らしい