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優しさと原風景 -『きみは小さな居候』

なろう備忘録第35弾。

あらすじ:
久し振りに訪れた父方の田舎。そこで、座敷わらしを目撃してしまった主人公。ちょっと世話を焼いたら、見た目、小学校低学年女児な座敷わらしに妙に懐かれてしまい…。

 
大学生の男と座敷わらしの、ほのぼの日常モノ。
読む前は彼らののんびりな日常風景を描くだけの作品かと思っていたが、実際に読んでみると作中のヒューマンドラマな要素が存外しっかりしていて、とても惹きこまれた。もちろんゆる~い日常風景もたくさん描かれていて、彼らのほんの何気ない会話にも癒されました。

それまで真理は、東京の街なかに自然なんかないと思っていた。
街路樹の根本に咲く、タンポポの花に目を留めることなど、今までなかったのだ。
わらしが「春が来たね」と笑って、真理は初めて春を実感したのだ。
< わらしとカッパと夏の空 1話 >

個人的に一番ぐっときたのがここ。何か……上手く言えないけども、とても良いのだ。
この作品の魅力が如実に現れた一文だと思います。


改めて良い作品でした。コメント欄で薦めてくれた方に感謝。

きみは小さな居候
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