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禍々しいハーレム -『異世界迷宮の最深部を目指そう』

備忘録第13弾。

今回は『異世界迷宮の最深部を目指そう』について色々と感想やらを雑記していく。この作品に出会ったのは本屋さんのライトノベル陳列棚だった。綺麗なイラストに心惹かれタイトルでggってみると、どうやら「なろう」の書籍化作品であるらしい

amazonでの評価も軒並み高かった。少し話はそれるが、私は気になる漫画や小説を書店や図書館で見つけると、まっさきにタイトルで検索して★の数やレビューを確認してしまう。レビュー数が多くて★の数も多い作品であった場合は問答無用で買ってしまう。赤の他人の意見でこういうことを決めてしまうのはあまり良いことではないと自覚はしているのだが、経験上これで外れたことがないので中々やめられない。

こんな記事も書いている。

いつか自分のセンスだけで本を選べるようになりたいと思う。

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閑話休題
結局イラストに惹かれ書籍版6巻までを購入した私は、3日で全て読み切った。
序盤はタイトル通りの超王道の異世界転生ファンタジーという感じなのだが、全く退屈することは無かった。何故か。主人公がまともな人間なのだ。異世界に転生してしまった彼はひどく混乱する。当たり前だ、普通はそうなる。そして流れるメッセージ。

【いくらかの感情と引き換えに精神を安定させます】

この不気味さ。こうして彼は様々な感情を失いながら異世界に適応していく。この失われた感情がどうなっていくのか、またその正体は何なのか。これは是非自分の目で確かめてもらいたい。

そしてもう一つ面白いと感じたのが、主人公の目的が徹頭徹尾『現世に帰ること』であるところだ。今まで読んできた異世界に転移したなろう小説の主人公でこんなことを考える人物は一人もいなかった。彼はその目的を達成するために異世界迷宮の最深部を目指すことになる。

そして迷宮を攻略していくうちに彼は色々な女の子と出会う。そしてパーティを組んだりなんかしていちゃいちゃワイワイと迷宮を攻略していく、なんてことには全くならないのがこの作品だ。主人公の仲間になっていく女の子がとにかく『重くて面倒』な子ばかりなのだ。『依存癖』『独占欲』『承認欲求』とヤンデレ属性が入り混じって大変なことになってしまう。爆弾娘達の暴走劇が最高に面白い。


ヒロインたちの造形も魅力的だ。特にスノウが好きだった。『弱気な甘えたがりドラゴン少女』なんて響きからして最高だ。

1-6巻(web版での1-3章に対応)を読んでの感想としては、造りは典型的なキャラクター小説であると同時に、王道ファンタジーもきちんとこなしている良い作品であるといった感じだろうか。重くて面倒くさい女の子が好きな方にもお勧めだ。

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