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海外のベストレビューを翻訳する -『フリップフラッパーズ』

各アニメのベストレビューを翻訳する。
原文はコチラ。(MyAnimeListより)


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Dec 29, 2016 
Overall Rating: 9
95 people found this review helpful

Review『Flip Flappers

正直な話、この作品はもっと評価されるべきだ。この作品にはどのような人にも伝わる面白さがあると感じる。ただ私がこの素晴らしき作品に満点評価を与えることを躊躇わせるのは、ひとえにストーリーが複雑で、私たちを混乱させてしまうためだ。しかし席を外すにはまだ早い。暫しの間お付き合いをお願いしたい。

そもそもフリップフラッパーズとはどういう作品なのか?なぜこの作品を見るべきなのか?
フリップフラッパーズのストーリーは様々な点で興味深い。私たちは二人の可愛い少女たちの冒険を、激しいアクションや驚くべき映像をもって楽しむことができる。声を潜めて二人話し合う百合なシーンも素晴らしい。あなたはよくあるポルノシーンなどよりももっと素晴らしいものを見ることができる。

 

フリフラ 感想


ストーリーが面白いと感じるか否かはあなたの好みに左右されるだろうと思う。もしあなたが単純明快なストーリーを求めるというのなら、おそらくこの作品があなたに合うことはないだろう。この物語のプロットは時に非常に複雑になる。とあるエピソードでは「一体何がどうなってるんだ」と自問してしまうこともあった。このような感じで、この作品は決してわかりやすいストーリーではないということである。正直この点に関してはフォローしきれない...

このアニメは本当に多くのこと(主に映像)に目を奪われてしまう。しかし少しでも台詞を聞き逃すとすぐストーリーを見失ってしまう。この作品はキャラクターが話すシーンが多く、またどこで大事な台詞が出てくるか分からないので気を抜けないのだ。そして物語が進むにつれて、バラバラだった物語の方向性がだんだんと真っすぐに定まってくる。この物語の進行形態は『the hero’s journey *1』そのものであろう。有名どころの例を挙げるとすれば、ハリーポッターロードオブザリングがそうだ。

物語のシナリオは殆ど未知なものであり、普通でない出来事がしばしば起こる。それらの問題を解決するために少女達は冒険に出るわけである。彼女らは神秘的な力を受け取ることによってキャラクターとして発展を遂げる。

フリフラ 感想


冒険が進むにつれて、彼女らは戦うべき敵対者と遭遇していく。ここでのポイントが、『death & rebirth *2』の概念が発動しているということだ。彼女らは敗北してから、また作戦を練り直して『plot armor *3』の加護を受けながら敵対者を打ち負かしていく。そして死闘を制した彼女らは平和で幸せな世界へと帰っていくのだ。

このようにして彼女らの旅は続いていく。その旅の内容は信じられないほどにユニークなものである。PapikaとCocnoaは様々な旅を経て、色々なことを学んでいく。それは例えば互いに助け合うことの重要性であったり、二人は親友なのであるということだったり...。私には二人が解決するべき数々の問題は、彼女らの仲を深めていくための踏み石に思えて仕方がなかった。作中において退屈なシーンなどひとかけらも無く、この作品のストーリーは十分なエンターテイメントを私に提供してくれた。

もしあなたが良い目を持っていたり、豊富なアニメの知識を持っているならば、この作品を一目見た瞬間に『Gainax』が制作に関わっていると思ったのではなかろうか。しかし(私の知る限りにおいては)アニメーションの部分においては彼らは関わっていないようだった。11話のクレジットに彼らが外注を引き受けていると書いてあった。これはアニメ業界では一般的なことなのだろう。個人的には彼らのユニークな作画スタイルが『3hz』に受け継がれていることを信じている。

背景はやや粗いにも関わらず綺麗であると感じた。キャラクターデザインはとてもユニークでキュートである。これはかなり重要だと思われる。ただその一方、アニメーションについてはまだ改善の余地があるように思えた。より現代的なものにするためには、審美感覚や品質の向上が必要になるだろうと感じる。
しかしながら。正直なところ私は全てが上手くいったと思うのだ。私は映像が提供するべき美しさを十分に楽しんだのだ。それは『dreamscape *4』のように幻想的に描かれた風景である。この映像はアニメの作風に見事にマッチしていた。豊富な色使いに、流動的なエフェクトが素晴らしかった。

フリフラ 感想


BGMも特定の気分を想起させてくれるような優れた仕事をしていた。作品テーマに合致した素晴らしい曲を作ってくれたと思う。声優さんの演技も特筆すべきことはないが、言うまでもなく良いものであった。それぞれ主題歌に関しては、OPは少し作品の世界感を傷つけているように思えたが、EDは作風に見事にマッチした完璧な曲だった。サウンドディレクターは間違いなくこの作品に貢献しているだろう。

さて、最後に纏める。『フリップフラッパーズ』は2016秋シーズンにおいてその偉大な努力と貢献のためにいくらかの評価に値する。個人的にこの作品は信じられないほどに見ていて楽しかった! 登場人物、作画、音楽、そしてストーリー。自分の好きなものがたくさんある最高の作品だった。私はこの作品を全話見終えての評価として、9/10点を与える。


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*1:海外の異世界小説のテンプレみたいなものです

*2:死んでも生き返るよー

*3:主要キャラクターが窮地に陥っても不自然に助かる展開を揶揄した言葉

*4:夢のように超現実的な情景