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海外のベストレビューを翻訳する -『ef - A Tale of Memories.』

各アニメのベストレビューを翻訳する。
今回は短めのレビューだったため、2本立てとなっています。

原文はコチラコチラ。(MyAnimeListより)


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Mar 14, 2008
Overall Rating: 10
697 people found this review helpful


この作品で紡がれるのは、思わず涙してしまうような幾つかのラブストーリー。

愛。悲劇。悲哀。そして、ハッピーエンド。この物語は私達を泣かせるために必要な要素をすべて備えている。しかしながら、それらを全て備えた物語は他にも多く存在する。では、何がこの作品を名作たらしめているのだろうか。

私はそれを登場人物の描き方によるものだと推測している。彼女らは夢を叶えるためにもがいて、あがいて、ひたすらに努力を重ねる。何をするべきか。誰と一緒にいるべきか。それらが描かれる過程で、私は彼女らに完全に感情移入してしまっていた。

ef 感想


あたかも隣に立っているかのように、彼女らが夢や恋愛を叶えるために努力する姿を見守ることで、彼女らが悲しむときは一緒に悲しみ、また喜ぶときは一緒に喜んでしまうのだ。またアニメーションやシーンの描き方はとても美しく、興味深いものだった。これまでに一度も見たことのない独創的な演出もあり、初めは少し困惑してしまうが、しかしそれらは完璧に作品に調和していると言える。


この作品のラストシーンは素晴らしかった。このような結末になるのは少しも予想していなく、また当初はこのような結末が好きでは無かったのだが、このラストシーンを見た私はそれがこの物語を纏め上げるための完璧な手法であると認めざるを得なかった。これ以上に美しい結末を描くことはできないだろう。ほんの僅かであってもだ。それ程に完璧な結末だった。

この作品は私が見てきた中でも最高の物語であり、『tear-jerking (泣ける)』作品を探している人には特にオススメしたいと思う。

読んでくれてありがとう =)




Jun 11, 2009
Overall Rating: 9
247 people found this review helpful


『忘れたくない想い、ありますか』

この作品はあなたの記憶に留まり続け、将来ではこのジャンルにおける金字塔足りうる作品と評されているだろうと思う。なぜ現在では無く将来なのか。それはこのシリーズ作品の卓越した美しさゆえ、これと比べる程の作品が少数しかないためである。特にこのアニメーション技術に関しては後世においても高く評価される可能性が高い。

ef 感想

 
まず目につくユニークなアニメーションスタイルは、オープニング映像にある。作品自体から直接引用されている各イベントの象徴的な表現は、彼女たちに訪れる結末を暗に示しており、私たちの興味を強く惹きつける。また、彼女たちにのみ色を付けることにより彼女らの魅力が際立っている。


また本編で用いられるアニメーションも同様に印象的であり、非常に高品質な作画はこの作品において当然のことに過ぎない。それをユニークなものにしているのは、例えば同じシーンで使われる異なるカメラアングルであったり、スクリーン上に映し出される無数のテキストであったりだ。前者は視聴者に様々な視点やキャラクターの背景を提示する効果があり、また後者の演出ではキャラクターの心理描写をありありと表現することに成功している。

ef 感想

 
序盤のうちは、この物語を理解することはかなり難しいと感じるだろう。これは、最初のエピソードで主要な登場人物をすべて紹介してしまう事に起因している。しかしながら、この物語は様々な登場人物の成長に焦点を当てているので、一見無関係に見える登場人物たちを一度に紹介する必要があるのだ。また、この作品におけるサブキャラクターが続編の主人公になることもあり、続編への布石にするため彼らの人物像も少なからず描かれることもこの物語の分かりにくさに影響しているのかもしれない。


この作品では2つのプロットが同時に進行される。1つ目は男1、女2の三角関係を描いたもので(True Tearsの作風と良く似ている)個人的にはこちらの物語はあまり琴線に触れなかった。しかしながら、2つ目のプロットこそがこの作品を傑作足らしめていて、おそらくこの作品のタイトルもこれに由来するものだと思われる。

このストーリーは人の心を揺れ動かすために作られている。それは不憫や悲しみに溢れている物語であり、私達はそれを見ることで彼らが結ばれる運命にあることを無意識に望むようになるのだが、しかしいくつかの事情が彼らの繋がりを絶とうとする。この作品はとにかく私達の様々な感情を呼び起こしてしまうのだ。

ef 感想

 
前述したように作品全体は美しく進行していくが、これは音楽によるものが大きい。BGM,OP,ED曲すべてが各々の役割を完璧に果たしている。特に私はこの素晴らしいオープニング曲に心を惹かれた。これらの曲の大半は新海作品の楽曲を担当している Tenmon (白川 篤史) 氏が制作したものである。


この『Ef – a tale of memories』は恋愛作品ファン必見の素晴らしいアニメである。信じられない程美しいアニメーション、音楽、キャラクター、ストーリー、どれにも文句を言うことはできない。間違いなくこの作品は、10年に1つの傑作であると結論付ける。



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